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マンチェスター・シティが強い理由はサッカー教えないエア社員?
最近「神よ、ペップを救いたまえ。」という本を読み終えました。
本書はペップ・グアルディオラ(以下グアルディオラ)がマンチェスター・シティの監督に就任した2016-17シーズンから7シーズンにわたって、グアルディオラの側で見たこと、聞いたことを著者の視点でまとめたドキュメンタリーと言ってよい著作。バイエルン時代を描いた「ペップ・グアルディオラ キミにすべてを語ろう」「グアルディオラ総論」の続編です。
マンチェスター・シティ時代の著作はなかなか発表されなかったので、とても楽しみにしてました。2017-18シーズンに密着した「All or Nothing」でもマンチェスター・シティのチームの裏側をのぞくことができましたが、今回は560ページある大作で読み応えもありますが、とてもおすすめの1冊です。楽しく読ませて頂きました。
本書を読み終えて印象に残ったのは、グアルディオラを近くでサポートする2人の人物の存在です。
1人目はコーチのファンマ・リージョ。リージョはペップ・グアルディオラが師事していた人物で、日本では2018年から2019年4月までヴィッセル神戸の監督を務めていたことで知られる人物です。リージョのチーム作りについては、以前noteに詳しく書きました。
リージョについては次のnoteで取り上げるとして、今回はもう1人の人物のことを書きたいと思います。
その人物とはマヌエル・エスティアルテ。エスティアルテは元々水球選手で1992年のバルセロナオリンピックで銀メダル、1996年のアトランタオリンピックで金メダルを獲得しています。
クラブのコーチングスタッフのリストに名前はないが長年グアルディオラをサポートしている人物
彼の名前はクラブのコーチングスタッフのリストには名前はありません。肩書はWebサイトによっては「Advisor」や「Head of player support and protocol」と書かれていますが、コーチではないことは確かです。
エスティアルテは2009年にグアルディオラがFCバルセロナの監督に就任したときから常に寄り添い、グアルディオラをサポートしてきました。
しかし彼はサッカーのコーチでも、心理学のスペシャリストでもありません。グアルディオラのスタッフとして常に帯同しているのですが、何をしているのかずっと謎でした。言葉悪く言うと、お友達をずっと雇い続けているように見えたこともあります。
ただ、本書を読み終えて、ようやくエスティアルテが何をしている人物なのか、マンチェスター・シティというクラブにとって、そしてグアルディオラにとってどれだけ重要な人物なのか、ようやく理解できましたし、こう思いました。
グアルディオラやマンチェスター・シティを差別化している要因はエスティアルテではないか、と。
重要な決定が下される席にいる存在
エスティアルテがいかに重要な役割を担っているかについて、こんな内容が書き記されています。
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