スポーツで女性が活躍するヒントはアナリティクスにあるのではないかという提案
2023年もスポーツとアナリティクスをテーマにしたカンファレンス「SAJ2023」に関わらせて頂いております。2014年に始まったスポーツとアナリティクスをテーマにしたカンファレンスですが、このカンファレンスは日本のスポーツのイノベーションに少なからず貢献しているカンファレンスだと思います。
SAJについては金沢さんのこちらの記事をぜひ。
女性はアナリストになれば競技の意思決定に関われる
僕が今回考えたテーマは「女性活躍」です。女性がスポーツに関わるとしたら、広報やマネージャーといった役割が多いのですが、アナリストとして活躍する人が増えたら競技の意思決定に関わる役割を担うことができます。ツールが発達したこともあり、女性でもアナリストになろうと思えばなれるのですが、まだまだアナリストになる人は多くありません。ラクロスやアメフトなどの競技では女性アナリストが多いのですが、まだまだ男性スタッフが担うケースが多いのが現状です。
アナリストになりたいと考える女性に活躍する場を増やしていくことが、アナリストの普及につながるし、SAJの女性参加者も増えるのではないかと。そんなことを考えてセッションを企画しました。
なおビジネスの現場では、マーケターやエンジニアやデータサイエンティストなど専門職で活躍している女性をたくさん見かけます。スポーツの世界でも同じようなことができないかと考えましたし、女性監督や女性コーチが強みを磨いていく上でのヒントになるのではないかとも考えました。
まったく接点がない4人に声をかける
セッションを企画するにあたって、真っ先に声をかけたのがWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)のトヨタ紡織サンシャインラビッツでアナリストを務める福田有利子さんです。
福田さんはバスケットボール女子日本代表のアナリストを務めた後、リクルートに転職し、再びアナリストに戻ったキャリアの持ち主。今回のテーマを議論するには最適な人ではないかと考えてお声がけしました。
今回は僕がモデレーターを務めるのではなく、別の人にやってもらえたらと考えていました。頭に浮かんだのが五勝出さん。以前からSAJのモデレーターや企画に関わって頂きたいと考えていました。
五勝出さんなら、女性の意見を引き出しながら上手く進行して頂けるのではないか。そう思ってお声がけしました。あと五勝出さんが全日本大学サッカー選抜の主務を経験していたことから、裏方の気持ちを知っていることもポイントでした。
五勝出さんには「女性スポーツとアナリティクス」というテーマだけは議論して欲しいとは伝えてますが、全体の構成も進行方向もおまかせしています。
このセッションは、できれば学生のアナリストに登壇してもらえるといいなと考えていました。さて誰を選ぶといいのか。これは悩みました。パッと思いつく候補者もいないので、誰に声をかけていいのかわからない。
そんなとき、僕が所属しているJSAA LaungeというSlackグループにDMが届きました。「アナリストになりたいのでチームを紹介して欲しい」という女子大生からのDMでした。
とりあえずオンラインで話をしようということになり話をすることに。軽い気持ちで連絡してきた人だったら5分で終わりにしよう、と思って臨んだのですが、とてもきちんとした人だったので、彼女との打ち合わせの後に予定していた五勝出さんと福田さんとの打ち合わせにも出てもらい、福田さんから「SAJ出ない?」と話してくれて、SAJの登壇が決まりました。それが今回登壇頂く長谷(ながたに)さんです。
長谷さんはこれまでのSAJの登壇者とは全く異なります。これからの人です。これまでは実績ある人に登壇頂いていたSAJですが、これからの人に出てもらうのは初めてです。
この3人とお話頂く人として誰にお声がけするのか。これはこれで悩みました。3人でLINEグループ作って色々な候補者の名前を挙げたなかで、福田さんと長谷さんがお話してみたいと名前を挙げたのがWEリーグチェアの高田春奈さんでした。
高田さんにお声がけしようということになったけど、もちろんつてがあるわけではありません。いろいろな人に相談したのですが、どこに問い合わせすればいいのか分からない。さてどうしてものか、と思った時に相談したのはなんと僕が働いている会社の同僚でした。
会社のイベントに高田さんが登壇してくださったことがあるので相談したところ、すぐにWEリーグに連絡してくれて、WEリーグの許可を得て紹介してくれました。すぐに登壇依頼書を作成してWEリーグ宛に共有したところ、快く登壇を引き受けてくださいました。
先日高田さん含めて4名で顔合わせを兼ねて打ち合わせをさせて頂きました。高田さんはとても素敵な人で、お声がけしてよかったなと思いました。
女性スポーツはアナリティクスに力をいれることが差別化につながるのではないか
JSAAの代表理事を務めている渡辺啓太さんは元々女子バレーボール日本代表のアナリストでした。僕はそのことがずっと頭にありまして、女性スポーツはアナリティクス(データ分析)に力を入れることが差別化につながるのではないかと思っています。現状はまだまだアナリティクスに力を入れているといえるほどではないかもしれませんが、ここに女性スポーツなりのスポーツの魅力を打ち出せないか。そんなことを考えています。
SAJ2023のコンセプトは「Connecting the dots」です。そして、このセッションほど「Connecting the dots」な作り方もないかなと思います。登壇して頂く4人は、このセッションがなければ出会わなかった4人です。
そんな4人が当日どんな話をするのか。とても楽しみです。