「部屋を広くしても広く感じるわけではない」と3月28日の日記
土日に異なる会社2社と、家の話をしてきました。2社の強みは全然違うのですが、2社が伝えているメッセージは共通する部分が多く、とても勉強に残りました。
最も印象に残った共通するメッセージは「部屋の面積を広くするから、窓を大きくするから、部屋を広く感じるわけではない」ということ。
僕はずっと疑問だったのです。部屋が大きくなったはずなのに、以前より大きな家に引っ越したはずなのに、部屋が狭く感じるのはなぜか。ずっと理由が分からなかったのですが、2社の話を聞いて理由が分かりました。
狭く感じる理由は「壁」でした。人は広さを「壁」との距離や大きさで感じるのです。どういうことかというと、よく天井高を高くする部屋を提案する会社があります。窓も大きくなり、開口部分が広くなるので、開放感が出るはず...なのですが、実際に住んでみると、当初感じていたほどの開放感はありません。それはなぜか。
開放感を感じない理由は、天井高を高くしたことで、壁の面積が広くなったからです。壁の面積が広くなり、壁がもたらす圧迫感も大きくなった結果、高さがもたらす優位性を活かしきれていないのです。
また、壁は大きくなっても壁との距離が変わらないと、壁の圧迫感を軽減することはできません。人間の目は壁をむしろ大きく感じるようになるのです。
2社から教わったのは、開放感を出したかったら、天井高を変えるのではなく、床の高さを変えたりして、目線を変えること。目線を変えることで、壁との距離が変わり、場所を広く感じるようになる、ということでした。
教えてもらって思い出したのですが、茶室は狭い入り口をくぐって入ることで、入った後に狭い部屋を広く感じる工夫をしています。騙しのテクニック、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、こういう工夫の積み重ねが快適さにつながるのだと思います。
性能や仕様だけで快適さを判断してはいけないな、と感じた2日間でした。
余談ですが、2社ともとてもファシリテイティブなアプローチをしている会社だと思います。話せば話すほど、我々の考えが引き出されていく気がする。
しばらく家について考える時間は続きます。
ここからは今日の日記を書いています。
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