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僕はなぜビジャレアルに行くのか

noteで有料購読マガジンを開始してから、ずっとやりたかったことがあります。それは「海外のサッカークラブの練習を観に行く」ということでした。

サッカーの試合ではなく練習を試合を観に行けば、クラブが試合を通して披露しているパフォーマンスの根拠や、クラブが大切にしていることも分かる。そう考えていました。

ただ、頭では考えていても、なぜか腰が重く、実行できないでいました。

アンラーン(unlearn)がやりたかった

幸い、ブログやnoteやJSAAの活動を通じて知り合ったヨーロッパのクラブでスタッフとして活躍していたり、ヨーロッパのクラブをスポンサードしている企業担当者からは、「練習を観に行きたければ案内する」と言ってもらいました。ご紹介頂いたのは、どれも一流のクラブで、たぶんサッカー関係者なら行きたいと思うクラブばかり。それなのに、なかなか現地までの航空券代を捻出してまで行こうという気になりませんでした。

僕のサッカーの分析方法は独学です。誰かに習ったわけでもなければ、サッカークラブに所属した経験もありません。独学で学んだ方法でも十分通用していましたし、アヤックスの白井裕之さんや、SVホルンで監督を務めた濱吉正則さんとも、サッカーについて意見交換することができました。

ただ、独学で学んだ方法だけだと、いつか、どこかで、通用しなくなる。そう思っていました。

とはいえ、コーチングライセンスを取得する過程で学ぶことが最善とも思えない。フットボリスタ・ラボには興味がない。どうやって学んでいけばよいのかと考えていたとき、この記事を読みました。

アンラーン(unlearn)学び壊し」。これが僕がやりたいことだ。これを読んだとき、そう感じました。この記事以来、ビジャレアルのことが気になり、実際に言ってみたい。そう考えるようになりました。

その時の私たちの「学び壊し」の対象となったのは、例えば、ホワイトボードとマグネットを使って監督が一方的に選手の動きを指示する試合前のミーティングであったり、トレーニングにおけるエクササイズの構築が「選手(自分の)」ではなく、「相手チーム」に起因した発想であったり、試合中の選手に対するコーチングの一言一言を拾い上げての指摘であったりした。

それなりの自信と大人のエゴで溢れかえる私たち指導者には、それらの指摘がまるで自分たちを全否定されたかのようで、とても心地悪く、すねた者、ふてくされた者、ひねくれた者、反抗した者、反発した者、口論した者など、色々いた。

実際にみないと分からない

佐伯さんのことは、15年以上前から知っていました。きっかけはこの連載でした。

リーガ・エスパニョーラのクラブで活躍している女性の指導者がいて、20年以上スペインで活躍している。それだけでも凄いと思っていました。僕にとっては、雲の上のような人でした。

それが、SNSのおかけで交流を深めるようになり、佐伯さんがJリーグの特任理事に就任したことなどが重なり、日本でお会いして、お話を伺う機会に恵まれました。

佐伯さんとお会いした時にお話ししたことは、以下の2つの記事にまとまっています。

佐伯さんとお話して、ビジャレアルというクラブにより興味が湧いてきました。そして、現地を訪れて、実際にクラブがどんな活動をしているのか、どんな練習をしているのか、この目で見てみたい。そう決めました。

決めたのですが、自分ひとりで行くのは心細いなぁと思っていたら、思わぬところから「行きたい」と声をあげた人が現れました。

2019年は長尾さんと様々な活動を一緒に取り組んでいましたが、長尾さんに僕が頻繁にビジャレアルの話をしていたら、長尾さんが興味をもってくれたようです。

そして、11月1日の朝に長尾さんに何気なく「ビジャレアル行きましょうよ」と誘ったら、長尾さんの気持ちに火がつき、「航空券を買った」という連絡が。

いつかは行きたいと言っていたのに、行かないというのでは嘘つきになってしまいます。急いでパスポートを取得する日程を確認し、僕も長尾さんの日程を考慮した上で、航空券を購入しました。

ビジャレアルだけでなくレバンテもみたい

僕がビジャレアルを訪れてやりたいことは、以下の5点です。

・ビジャレアル対レバンテの試合を観る
・メソッドは実際にはどのくらい機能しているのか
・ビジャレアルという街におけるクラブの位置づけ
・レバンテの練習を見学する
・多くの人と話す

ここに書いてあるやりたいことリストには、なぜかレバンテのことが書いてあります。なぜビジャレアルだけでなく、レバンテの練習も見学したいのか。それは、僕が興味をもったビジャレアルのメソッドを作った男は、レバンテにいるからです。

佐伯さんにお会いしたとき、リーガ・エスパニョーラの試合を観て、一番印象に残ったチームがレバンテだと伝えたら、レバンテの監督のパコ・ロペスは元ビジャレアルのサテライトチームの監督であり、レバンテで監督のパコ・ロペスの横に座っているセルジオ・ナバーロという男が、ビジャレアルの元メソッドダイレクターであり、ビジャレアルのメソッドを変えた張本人だと教えてもらいました。

ビジャレアルの練習を見て、クラブのことを知るだけでなく、メソッドを変えた男がいるレバンテの練習も見学し、両チームの試合を通して、双方の取り組みを比較・検証してみたい。そんな企みをもって、僕はビジャレアルに行きます。

会社の仕事とは1ミリも関係ない

今回の旅行は会社の仕事とは1ミリも関係ありません。渡航にかかるお金はすべて自費です。

1週間以上も仕事を空けることになりますし、長尾さんがいるのは2日間だけなので、残り5日間は自分でレンタカーを運転して、現地の行きたいところに行かなければなりません。不安しかありませんが、なんとかなると思っています。何もやることがなければ、ぼーっとすればいいのです。ぼーっとしながら、美味しいものを食べて、今後のことを考えればいい。そう思っています。

2018年の今頃は、長尾さんにも佐伯さんにも会ったこともなかったのに、1年後は旅の予定を計画している。人生とはおもしろいなぁと思わざるを得ません。長尾さんはいろいろアイディアがあるようで、どこまで実現するかはわかりませんが、もうなるようになれ、です。何も実現しなくても、それはそれでよし。そう思うことにします。

最後にこっそりとお願いが。この旅行で観てきたこと、聞いてきたことは、できればイベントを開催したり、noteでもご報告したいと思ってます。もしご興味がある方がいらっしゃったら、サポート頂けると嬉しいです。

photo by Millers

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