もう一つの物語
今日も一日が終わる。
そこで上映が始まる
夢という映画。
監督・主演は私。
お客さんが私だけなのが
ちょっと寂しい。
悲劇か喜劇かは観てからの
お楽しみなんだな。
今回はニューハーフの人に
囲まれている。
なぜか、
おしくらまんじゅうされている。
いくら人肌恋しいからって、
圧が強すぎるよ。
息ができない。
苦しい、苦しいよ。
意識は朦朧とし、
気づけば映画は終わっていた。
目が覚める。一日の始まりだ。
ベッドには私一人しかいない。
不思議なことに、
ニューハーフの人達の肌が
恋しく思えてきた。
あんなに苦しかったのに、
現実は孤独でもっと苦しかった。
今日は気晴らしに
買い物へ行こうか。
映画次回作のネタ探しも兼ねて。
あら、セールやってるじゃん。
どうりで平日なのに
人が多いわけだ。
それにしてもすごい人。
まるで満員電車のようで
熱気が肌を刺激する。
ちょっと、押さないで下さい。
痛いよ、苦しいよ。
これはいやな予感だ。
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