3-5-2 残りのかん字 印象深い字
前回から「良」について見直しを始めた。まだ完了していない。以下の文章は昨年夏(2024年)に作成したものである。訂正箇所があるのだがそのまま紹介する。
ナカカナと1年2年で学習するかん字を字素の意識を持ってみることで,小学校で学習する1026字のうち971字ができることを示した。残りの55字には特殊な字素が使われていることになる。一覧で示す。
【3年配当かん字】 11字
飲 泳 感 館 式 州 代 島 登 発
服
【4年配当かん字】 16字
以 印 械 潟 機 議 残 試 城 臣
成 浅 戦 飯 飛 不
【5年配当かん字】 14字
永 義 減 興 災 飼 似 識 織 職
貸 犯 武 報
【6年配当かん字】 14字
域 我 郷 裁 盛 誠 銭 蔵 臓 否
卵 覧 臨 朗
この中で5回以上出てくる字素は「弋」「戈」「臣」「
」「臣」の字素である。それぞれを分けると次の通りである。
弋・・・式 代 試 貸 武
戈・・・感 械 機 議 残 城 成 浅 戦 銭 義 減 識 織 職 域 我 裁 盛 誠 蔵 臓
・・・飲 館 飯 飼 郷 朗
臣・・・臣 覧 臨 蔵 臓
残りのかん字19字には独特な字素がある。だからこそ,記憶に残りやすい形になっている。逆に考えれば,これらのかん字がテストで扱いやすいかん字となる。
次に一覧を示す。
【3年配当かん字】 6字
泳 州 島 登 発 服
【4年配当かん字】 5字
以 印 潟 飛 不
【5年配当かん字】 6字
永 興 災 似 犯 報
【6年配当かん字】 2字
否 卵
小学1・2年生までならば,ナカカナが字素として有効である。活用することで約95%の字をカバーする。これは字形について述べている。かん字指導は字形だけでないのは承知している。これにより,意味まで指導できると言うつもりはない。
現実問題として,現在の学校教育ではひらがな→漢字→カタカナの順で教科書に登場する。1年生で80の漢字が指導されてもカタカナはまだ全部登場していない。
この小論では原子論的な見方にこだわり,「分解」をしない,字の素を組み合わせていく方向でかん字を考える試みであった。結果は充分に可能であると思っている。