2-5-7 画素の整理
画は〈画素を骨組みとして活用させたもの〉ととらえている。「化けたもの」「変化したもの」と言ってもよい。そのため,〈画が全部で何種類あるのか?〉については,活用の数だけあることになる。
最後の部分の活用には〈とめる〉〈のばす〉〈はねる〉がある。
・→は〈とめる〉が基本。〈のばす〉は↗の向きになる。〈はねる〉と「フ」の形となる。
・↓が〈とめる〉となるのは書き進めるうちに最後の部分に他の画が接するとき。↓が最後の画となったときには〈のばす〉となり,書いている途中であれば,次の画へ向かっての〈はねる〉が多い。
・↙は〈とめる〉と点になる。〈のばす〉と「はらい」であり,〈はねる〉ことはない。(そのため書道家は挑戦する)
・↘は〈とめる〉と点になる。〈のばす〉と「はらい」であり,次の画へ向かうと〈はねる〉となる。
最初の部分も前の画との関係で垂直方向に進んだり,戻ったりする。
・前の画に↙があると,↓の画素は接続するときに↘方向に進んでから↓となる。
・戻るのは「辶」の最後で見られる。教科書体や楷書では少し戻ってから書き始める。
『筆順指導のてびき』(文部省)において,「及」が3画の指導となっているため,現在の学校漢字では
の13種類の画素が骨組みとして必要。小学校では「乙」「乞」「乾」は出てこないので,12種類。(「廴」は「フ又」と指導されている。「及」も同じ指導…「ノフ又」になれば11種類まで減らせる)
unicodeでは2008年4月に制定されたver.5.1で36種類の画が制定されている。これらは国際規格として日・中・韓のかん字をコード化した。そのため,ハングルで使用されている「○」や中国で利用されている「㇌」の画も含まれている。
それぞれの画についての名称をつけることは指導に役立つ。基本画素については画素の→↓↙↘とした。「お」は「O」として,その他の折れ線全部を表す記号にした。出現頻度がそれほど多くないためである。それでもそれぞれになまえをつけるならば,
と考えている。基本画素2つまでの結合はカタカナ・ひらがなでまとめ,3つ以上の結合をアルファベッドにした。このあたりもKALNICS法の真似である。