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2-6-5 「凹」の書き順

■ 書き始め

 まず,どこから書き始めるのか?
 書き順の原則は「左から右,上から下」だ。これから考えると,書き始めはもっとも左上の部分となる。「凸」と違い,「凹」の場合は左上がはっきりしている。書き始めはここになる。

書き始め

1 右回り

① 「左から右,上から下」を守るかぎり,㇍と進める。↑上には進めないからだ。

1画目

② 右回りを進める。次は①の終わりに向かって↓の線を引く。

2画目

③ 右回りを進める。②の始めから書き始める。どこまで進めるか?
ア,→ 

ア どこまで進める?

イ →↓ 

イ どこまで進める?

ウ →↓← 

ウ どこまで進める?

エ →↓←↑ 

エ どこまで進める?

 ウやエは←左方向や↑上に向かってしまうので,書き順の原則である「左から右,上から下」に反してしまう。
 また,イも実はダメだ。なぜだろうか?

 かん字を書く大原則が「左から右,上から下」だった。そのため,〈左より先に右ができてはいけない。上より先に下ができてはいけない〉という次の原則が生まれる。まるで数学の公理から次の定理が生まれるように,大原則から次の原則が生まれる。
 イまで進むとかん字の左側よりも右側が先にできてしまう。そのため,イまで進めない。
 よって進めるのはアまでである。

3画目

④ さて,4画目は? 右回りが止まったので,書き始めに戻って書き進めることになる。するとどこまで進めるか?

ア ↓ 

ア どこまで進める?

イ ↓→ 

イ どこまで進める?


ウ ↓→↑ 

ウ どこまで進める?

 ウは上方向に進むので,書き順の原則である「左から右,上から下」に反する。
 だからイまで進める。アで止めるのは不自然な動作となる。

4画目

⑤ 5画目は上から下へ線を引けば,凹の完成となる。

5画目

2 左回り

① 書き始めから左回りでどこまで進めるか?
 これは↓ですぐ止めることになる。それ以上進むと〈左より先に右ができてはいけない。上より先に下ができてはいけない〉という原則に反するからだ。

1画目

② 左回りが進めないので,2画目は書き始め進める。これは「左から右,上から下」を守るかぎり,㇍と進める。上には進めないのでここで止まる。

2画目

③ 左回りを進めようと①の先を→と書くと,〈左より先に右ができてはいけない。上より先に下ができてはいけない〉の原則に反してしまう。そのため,②の終わりに向かって↓の線を引くことになる。

3画目

④ まだ①の先は進めない。③の始めから書き進める。ここは↴と進められる。

4画目

⑤ 最後に→を引いて,凹の完成。

5画目

 結局,「凹」の書き順としては,

上の2通りがある。
 どちらも5画である。しかし,向かって右の書き順は採用されていない。
 「凸」「凹」はかん字分類上,同じ仲間で扱われている。そこで,「凸」の書き順と並べて見ると,「凹」にも「凵」の部分が共通になる。

一番左のには,「凵」がない

 これは部首として扱うのに都合がよい。よって,「凹」の書き順は向かって左となる。

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