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2-6-0 書き順の原則 学校漢字は〈考えずに覚えろ〉?

 すべての画が整理できたので,それらを一定のルールのもとに順に並べれば,かん字の書き順を示すことになる。

 画は〈上から下,左から右〉に進む。字を書くときも,上から下,左から右に書く。
 「三」や「川」のようにそれぞれの画が分れている時は〈上から下,左から右〉の原則で書ける。
 では,交差しているときや同じところから2つの画を書くときはどちらの原則を優先したらばよいだろうか?
 
 例えば,「十」のように交差しているときは↓(上から下の線)と→(左から右の線)のどちらの原則が優先されるのだろう?

 また,「父」の3画目4画目のようにななめに交差しているときは↘(右下への線)と↙(左下への線)のどちらが優先されるのだろう?

 さらに,「口」の書き始めのように同じ所から2つの画を書くときは,↓(上から下の線)と↴(おれ線)のどちらが優先されるのだろう?

 多くの日本人は膨大なかん字練習により書き順を身に付けている。でも,あらためて原則を聞かれると困ってしまうのではないか?
 原則にこだわってかん字を書こうとすると,学校漢字では×にされる。例えば,「右」と「左」の「ナ」の部分の書き順や「必」の書き順。
 ○をもらう人を見ると尊敬します。

 松本仁志『筆順のはなし』(中央公論社,2012年)を読むと〈中国の方が原則優先,ルールがシンプル〉に思えてしまう。小学校低学年のうちに2000の漢字を習得するためにルールをシンプルにしたのだろう。「右」も「左」も「ナ」の部分の書き順は中国では同じです。日本の学校漢字だけが「違う」と言っている。書き順はかん字についている属性ではない。


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