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2-6-2 書き順ルールに画素の→↓↙↘○を利用する

 『筆順指導の手引き』を見たところでルールや例外が多い。ならば,不十分を承知の上で,「画素かくそ→↓↙↘○あいうえお」が書き順ルールにも使える。通常は,〈左から右〉〈上から下〉で書き順は考える。しかし,迷ったときは→↓↙↘○あいうえおの順と考えるのだ。
 例えば,「十」の場合の書き順はのくらべっことなる。ならば,→↓↙↘○あいうえお順で考えて,が先となる。
 「父」の場合は,のくらべっことなる。ならば,→↓↙↘○あいうえお順で考えて,が先となる。
 「口」の場合は(↴)のくらべっことなる。→↓↙↘○あいうえお順で考えれば,が先となる。

 例外がたくさんあるのは分かっている。例えば,「田」。外側の「冂」のあと,「十」を書く。画素の→↓↙↘○あいうえおで言えば,→が先となる。しかし,学校漢字では↓が先だ。
 だがしかし,中国の筆順指導では→が先になっている。

『現代漢語通用字筆順規範』(1997年)より

 中国では小学校低学年までに2000字を学習する。その時に例外ルールが多くては学習しきれない。そのため,分かりやすいルール構成になっている。
 日本では「右」と「左」の「ナ」の部分の書き順が違う。テストで扱われるところだ。画素の→↓↙↘○あいうえおで考えれば,どちらも→の方が先になる。中国ではどちらも→を先にしている。

『現代漢語通用字筆順規範』(1997年)より


『現代漢語通用字筆順規範』(1997年)より

 日本では書き順ルールの説明をするために,「いろいろな人たちが漢字を長い間使い続ける中で「書きやすい」「覚えやすい」ように考え出されたものです」と説明する人がいる。しかし,学校漢字は無法地帯だ。

 画素の→↓↙↘○あいうえおを使うと書き順も示していることになる。
「反」ならば,次のようになる。

→  ↙  ○  ↘

 これを使えば,「反の書き順は→↙○↘あうおえ」と言える。(または→↙フ↘あうフえ
 このような書き順表は「画素に化ける方式」なので「化画式かがくしき」とも呼びたい。

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