サイコパスと寄生虫の関係については、主にトキソプラズマ・ゴンディイ(Toxoplasma gondii)という寄生虫が注目されており、この寄生虫は、サイコパシーのような行動特性と関係があるとする研究が存在する。
トキソプラズマ・ゴンディイは、人間に感染すると脳に潜伏し、脳内の神経伝達物質のバランスに影響を与えることがある。いくつかの研究は、この感染が人間の行動や性格に微妙な変化をもたらす可能性があることを示唆し、例えば、感染者は反社会的行動を示したり、リスクを好む傾向が強まったりする可能性があるとされている。これがサイコパス的な行動特性と類似する点があるため、研究者は興味を持っている。
サイコパシーは、共感の欠如、反社会的行動、感情の浅さといった特徴を持つ人格障害として定義るが、一部の研究では、トキソプラズマ・ゴンディイ感染がサイコパシー的な特徴を持つ行動に寄与する可能性があると示唆され、具体的には、この寄生虫がドーパミンやセロトニンのような脳内化学物質に影響を与えることが、衝動性や感情の鈍化を引き起こす可能性があると考えられている。
ただし、この関連性についてはまだ議論があり、結論には至っていません。トキソプラズマ感染が人間の行動に与える影響についてはさらなる研究が必要。現時点での研究は関連性を示唆するものであり、直接的な因果関係を確立するためには、より詳細な研究が求められる。
トキソプラズマ・ゴンディイの感染がサイコパシー的な行動特性と関連している可能性があるという考え方は興味深いものの、現在のところ、これを裏付ける証拠は十分ではない。この分野は今後の研究によってさらに解明されることが期待されている。