書き重ねること:2020/11/05
書き重ねることにした。
理由はいくつかある。文章の書き方を変えてみたかった。書くだけではなく、言葉そのものを磨いてみたかった。書くことの運動をもっとわかりやすく表現したいと思った。
書き重ねるとは、同じタイトル、同じ内容を何度も書こうとすることである。
毎日書いていた私は、それと全く別のことをしていた。
毎日違うタイトルを考え、違う内容を書く。
とりあえず続けることができたが、それではまだ書くことができないものがあると感じている。
一見、内容が幅広い方がなんでもかけるような気がするが、そうではないのだ。文章の深さ、という点で届かないものがある。
いろいろな内容を、浅く広く書いていくやり方では、「書くこと」自体は続けることができても言葉と向き合うことは深くできていないと感じた。実際に、書くことができていれば、何が書かれているかは関係ないと思っていた。しかし、その言い分はよく考えれば、言葉を放棄していることにつながるし、言葉の力が弱まれば書く力も当然弱まる。
言葉と向き合うこと。そう言われて思い浮かぶのは、推敲とか校正をすることが思い浮かぶ。しかし、どうしてもそれは書きながら考えるスタイルと合わない気がする。書かれた文章を、後から直すとその時の流れや、気持ちの入り方が失われる。誤字脱字でさえもあまり直したくない。不自然な流れは、不自然ながらに何かを伝えている。
推敲や、校正以外に何か文章を磨く方法はあるだろうか。
そこで思いついたのは、同じタイトル、同じ内容で何度も初めから書き直すことである。
そのほうが私の書くというビジョンに近い形で、言葉と向き合うことができる。
書くということは、常に動き、一瞬で終わるものである。彫刻のような静物を扱うものではない。だから、書いた後に細かく直すというよりは、何度も初めから書き直す。
それは、踊りの練習に似ている。ある具体的なものを作るのではなく、ある状態、ある動きを実現するために何度も飛ぶ。
「書き重ねる」ことで、私の書くことを明らかにしていきたい。
最後までお読みくださりありがとうございます。書くことについて書くこと、とても楽しいので毎日続けていきたいと思います!