親ができる中学受験対策のエラーパターンへの対応
まえがき
塾でご父母と面談などをしていて、家庭でどのようなことを親としてすべきかという質問がかなり多く寄せられます。中学受験において大切なのが学力向上であることは最重要なポイントとなります。そのためには勉強をしっかりとする必要があるということも理解できます。
ところが、日々の確認テストや定期的な学力テストなどでなかなか点数につながらない。塾で面談をすると提出ノートや宿題がしっかりとこなせていないことを伝えらる・・・。
おそらく、帰宅後に子どもにかける言葉は次のとおりになる可能性が高いようです。
「宿題をしっかりやりなさい、そうしないと受験では合格できない!」
「先生の指示を守りなさい、そうしないと成績は上がらない!
「ちゃんとできないのであれば、塾はやめなさい!」
そう、「合格できない」「成績は上がらない」「塾をやめなさい(勉強をやめなさいと子どもはとらえる可能性があります。)」のいずれかに結論がくるパターンに落ち着いてしまうようです。
子どもたちをいかに成長させるか。いかに効果的に学力向上につなげるかという点で考えるとあまり効果的とはいえません。
そこで、確認テストや学力テストで点数がとれないエラーのパターンを明確にし、そこに具体的な対策をしていくことが本来の目標達成につながり、それが受験後の子どもたちに大きな生きるための糧を与えることになります。
家庭での子どもへの声かけのひとつのヒントにしていただけるとよりよい中学受験対策、子どもたちの成長につながるのではないかと執筆しています。
①メイキングエラー(Making Error)
準備をせずに失敗した。適当にやっていて失敗した。そもそも成功しようという意識がなかった。
準備をせず、なるべくしてなるエラーをメイキングエラー(Making Error)と個人的に言っています。つまりエラーを作り出す準備をしていて、当然のようにエラーにつながるというイメージです。
そもそも奇跡を期待するところがメイキングエラーの多い子どもの特徴といえます。奇跡はこれまでの環境とは異なる、あり得ない状況になること。奇跡を求め、エラーが起こったときに奇跡が起きなかったという他者責任のありかたに問題があります。つまり、自分は悪くない、奇跡が起きないのが悪いという生き方につながる可能性があるのです。
奇跡は準備がなされたところに起こるものというのがこれまでの経験で感じています。何らかのアクションがそこになければ奇跡はおきないのです。
このエラーの習慣は中学受験だけではなく、今後の学生生活や社会生活に大きなマイナス影響を及ぼす可能性があるエラーといえます。このエラーは生活習慣からくる可能性があり、中学受験にむけた姿勢づくりだけではなく、普段の生活パターンなどから指導・アドバイスをしていく必要があります。
そのエラーへの具体的な対応方法例は「④エラーへの対応が重要」で紹介します。
②タイミングエラー(Timing Error)
達成すべき日程に準備ができず、スケジュールなどの設定がうまくいかなかったためのエラーをタイミングエラー(Timing Error)と個人的に言っています。
準備をしっかりできる子どもたちは一日の流れ、一週間の流れをつかんでいることが多いと感じます。つまり、ほかの習い事や学校行事などでどの程度時間が必要で、そのために宿題などにどの程度の時間が必要なのかを把握するイメージです。
ただ、中学受験を目指すとはいえまだまだ子どもです。一週間のスケジューリングや一ヶ月のスケジューリングまでしっかりできるのは難しいといえます。
塾の学力テストの期日にむけてスケジューリング、そこに習い事や学校の行事などを組み込む。ところが、学校行事の日程を組み込んだとしても、その準備や練習で緊急に時間が割かれてしまうことなどが起きるのです。
時間をどのように使っていくのかでうまくいかないことがタイミングエラーといえます。
また、現状の力を遥かにこえたトレーニングもタイミングエラーのひとつといえます。100満点のテストで10点をとってしまう場合、100点を目指すトレーニングはまだ先ですべきこと。20点をとるトレーニングをして、その成果を実感させることが大切だと感じます。
中学受験は刻々と近づいてきます。ご家族も焦りなどからこのままでいいのかとヤキモキしてしまいます。
時間は有限です。タイミングエラーは子どもだけの力ではなかなか修正できません。「もっと頑張りなさい!」と言っても、そもそも頑張るための時間がなければ頑張りようがなく、「もう無理!」という感覚を与えることになります。
大人だってめちゃくちゃ努力しているのに、結果が出せない状況で、「もっと頑張れ!」なんて言われてやる気になるのでしょうか。
タイムスケジュールのあり方を模索してくれる上司が神に見えてきますよね。
タイミングエラーへの具体的な対応方法例は「④エラーへの対応が重要」で紹介します。
③トライングエラー(Trying Error)
今までやっていなかったことにトライをして、うまくいかなかった。トライのレベルが高すぎてまったく到達できなかった。そのようなこれまでにやっていなかったことに取り組み、結果としてエラーにつながっていることをトライングエラーと個人的に言っています。
中学受験にむけて塾に入り、これまでの小学校の授業レベル以上のことに取り組む、計算が得意な子どもが文章題や図形の問題に取り組むなど、自分自身をより成長させるためのトライがうまくいかないことは当然と言えます。
このタイプのエラーは全く気にすべきではないのですが、子どもがトライとしてやっているのかなどを知らなければ、結果だけを見て、「なんでもっと頑張らないの!」などと言ってしまいがちです。
自分の力を超えたトライでうまくいかず、さらにその結果に対してマイナスなイメージをもってしまうと、トライをせずできる範囲のことしかしない習慣につながりやすいようです。
そりゃできることをして成功、それをほめられている方が楽ですね。
子どもの成長を生み出すトライングエラーへの具体的な対応方法例は「④エラーへの対応が重要」で紹介します。
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