『ライティングの哲学』を読んであきらめる
書くことについての本は何冊か読んできたが、初めて自分にもできる気になる本に出会った気がする。いや、できることだけやる気になった、と言うべきだろうか。
別に手法として誰にでもできるかんたんなことが書いてあるとか、自分にあっているとか、そういう話ではない。この本はそもそもそういう具体的な方法をつらつらと紹介する本ではない。
まえ書きに「自助グループの記録のようなもの」とあるように、書くことに苦労している四人が悩みや、書くためにその悩みにどう対処してきたかを話し合った内容がメインだ。
座談会は二回に分かれており、一回目の座談会の後にその座談会から書き方がどう変わったかを全員が原稿に書き、その後二回目の座談会があったようだ。
結果として、私もこうやって書くことになった。
あきらめるきっかけになった
のせられたというべきかはわからないが、書くこととそれを公開することに対してあきらめをつけるきっかけになったのだと思う。あきらめきれているわけがないので、あきらめがつき始めた、と言うべきか。
いや、本当はもっと前から諦めるべきだということはうすうす気づいていたのだろう。踏ん切りがつかなかっただけなのだ。
自分も自分が書くものも大したこと無いということはわかっていても、このまま完成も公開もしなければ未確定のままでいられるような気がしていたのだろう。観測しなければ確定しないという思い込みだ。
今この節の文章を消して書き直したくなったが、あきらめることにする。
適切なあきらめの使い方かはわからないが、あきらめることに慣れることは間違いなく必要だと思うので、ここで一回あきらめてみる。
これからも、何度もあきらめよう。
「書かないで書く」の実践を目指す
この本で紹介されていた「書かないで書く」をこれから実践できるようになりたいと思う。
より具体的には、執筆未満の「書く」という行動を日常に組み込んでいきたい。なぐり書きでもボイスメモでも、とにかく浮かんだものを逃さないようにする癖をつけたい。
この本にも「態勢と流れを支えるのは体と習慣なのだ」とあったが、習慣という日々の積み重ねがいかに重要なものかというのを最近実感している。
「継続は力なり」というが、もはや「継続のみが力なり」と思ってしまうほどだ。そして私には、まだ書くという習慣がない。まずは癖や習慣を作ることから考えよう。
この習慣というものについても考えていることがあるので、そのうち記事にしたい。
幻想を持ちすぎない
この座談会に参加されているような、立派な本やブログを書いているような人たちも悩んだりしているということも書く勇気を与えてくれたように思う。
本を出すような文章を書く人は、きっと迷いのないスゴい人たちばかりだと無責任に思いたがっていた節がある。
そして書く人というのは迷いのないスゴい人ばっかりだから、自分も書くなら迷いなく立派なものを書かなくては、という自縄自縛に陥ってしまうのだ。
どう見ても一人相撲です。本当にありがとうございました。
他人にも自分にも、幻想を持ちすぎると身動きが取れなくなる。
少なくとも、自分には幻想を持たないようにしていきたい。
自分には、できることしかできないのだ。
おわりに
特に気の利いたまとめは思いつかないのだが、とにかくこの本は読んでよかったと思っている。
実際この記事を書くことができたし、これからどういうことをしていきたいかが少しはっきりしてきた気がする。
書くということをやってみたい、と少しでも思っている人は読んでみることをおすすめする。
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