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「第30回え〜ほん絵本原画展」終了しました。
第30回え〜ほん絵本原画展は6月29日(土)に終了しました。来ていただいた方、気にかけてくださった方、皆様、ありがとうございました。
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2009年から参加しているえ〜ほん展ですが、今年もいつもと同じように過ぎる予定でした。しかし蓋を開けてみると、2年越しで何とか形にした32ページの絵本『ずっとここにいた』は思ったより評判が良く、満足していない中でも作った甲斐がありました。そして、いざ会場で飾ってみると、この子ども向けのほのぼのした空間にややシリアスな自分の作品があることの意味がとても大きく感じられ、もっとより多くの人に見てほしいという欲がとても強く出てきました。8日間で終わってしまうのがとても残念に感じました。また、体調が万全でなく、3日しか在廊出来なかったのも残念でした。
原発事故について、若い世代に知ってほしいとよくいうけど、自分の個展でもなかなかそれは難しかったりします。個展にはやはり僕の作品を見たい大人が来るし、学生が来ても、それは教授や先生から言われて「勉強」の一貫で見に来たりしています。
しかしえ〜ほん展の現場では、本当に原発事故には何の関心もなかった親子、子どもが僕の作品を見てくれます。子どもの方が真剣に見てくれたりします。原発事故と聞いて政治を連想しやや距離を置いたりする大人と違って、子どもは何の先入観もなく、僕の作品の綺麗な色使いやおっさんや犬のキャラクターなどから興味関心を持って絵本を手に取ります。そして、細かいことはわからなくとも、人がいなくて寂しい感じや首都圏に住む自分たちが福島の電気を使っていたことを知ります。
かつて、もやい展のステイトメントで「炭鉱のカナリア」とカッコつけた文章を書いた記憶がありますが、こうした場所で原発問題を取り上げることは、まさにカナリアであると思います。
反原発運動を一緒にやりたいんじゃない(そもそも僕はそういう活動はしていない)。原発事故で何が起きたのか興味を持って、自分で調べて、そして自分で考えて行動する。そのための種を僕は蒔いています。
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2020年、常磐線全通の際に偶然双葉駅で出会った僕のイラストのファンの少年は、高校では環境学科で学び、大学では政治学を学んでいます。蒔いた種は確実に育っている。そして今回も、僕の作品と真剣に向き合う子どもたちと出会うことが出来ました。僕は少し自信が持てた。
1Fの廃炉作業は、僕らが生きている間は終わることはありません。福島の「復興」も、たとえ物質的な事故の痕跡が跡形もなくなったとしても、放射能はいつまでも残ります。最後まで生きている限り、僕はカナリアとして福島を描き続けようと思います。
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