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2019年11月、浪江取材/ひっそりとした町

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<続き>

請戸川河口付近を目指して歩く。

何の変哲も無い風景が続くが、線量は低いとはいえ常に0.2〜0.4μSv/hはあり、これは首都圏ではほとんど見ない数値だ。「汚染」という言葉に福島の人は抵抗があるが、紛れもない事実であることを痛感する。

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花は綺麗だが、こうしている間も福島第一原発からは震災前の1ヶ月分以上の放射性物質が1日で放出され、周辺の町に降り続いている。

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更地。そして売地。買う人はいるだろうか。

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ここも解体予定地。安藤ハザマ。関係者から、震災後は笑いが止まらないと話を聞いた。どれだけ稼ぐ気なのだろう。イノベーションコーストだの何だの言いながら、ハイエナが福島にたかってくる。

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水子地蔵。供えられた花も枯れ、倒れたままだ。

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“お願い
夜間、敷地内で作業している人は不審者です。通報をお願いします。”

今は昼間だから大丈夫だよね?

「特定復興再生拠点区域」なんて造語が作られ区域が再編され、またぞろ空き巣が全国から集まってくる。震災から9年が経とうというのに。人の欲望は果てしなく、恐ろしいものだと思う。

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請戸川。10月の台風で川周辺の草木はみんなやられてしまった。

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ビニールハウスが見える。試験栽培か販売するものかはわからない。富岡では試験栽培は終わったと聞いた。

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セイタカアワダチソウに覆われていたと思われる場所は刈り取られ、整備されている。ここに何か建つのか、農地として利用されるのかはわからない。定点観測していけば、いつかわかるだろう。

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このビジネス旅館の看板をよく目にする。当の有明荘は8年8ヶ月経ったこの日も放置されたままだ。

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市幸神社。

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ここも放置されたままなのか。こういうのを見ると切ない。

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初発神社。

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「忘れない 風化させない」
強いメッセージだ。津波や地震では、誰もが「風化させない」という。それが、原発事故となると意見が割れてしまう。何故だろうか。ここまで長期に避難が強いられているというのに。つくづく原発は罪作りだ。

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福島県指定重要文化財。これも汚染された。そして怒らない県知事。

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脇の古びた公民館(?)を工事してるおじさんが二人いた。何となく挨拶を交わす。

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何気ない神社仏閣。ごく普通の田舎の風景。しかし周辺の家はほとんどが空き家だ。辺りは静寂に包まれている。この独特の空気感は、現地に足を運ばないと感じることが出来ない。

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復興祈念碑。「記念」ではなく「祈念」だ。まだ復興は為されていない。

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フレコン置き場と減容化施設が見えてきた。

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美しい山並み。しかしあの方角の山々は、ほとんどが強く汚染されている。

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海が近づくにつれ、少しずつ津波の傷跡が見えてくる。

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延命寺。周りは流されてしまったが、よくこの小さな社が残っていたと思う。

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ひっそりと佇む。地震、津波から原発事故。全てを見てきたお寺。

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そっと手を合わせその場を離れた。原発事故もそうだが、ここは紛れもなく津波の被災地でもある。この後、生々しい傷跡を目の当たりにする。

<続く>


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