人が人を支配するということ
最近、「人を支配しようとする人」が増えている気がする。
それは、競争社会の中で追い詰められた人がすがりがちな「勝ち方」だからだ。一部の人は、この方法に安易に頼る。なぜなら、人を支配することは、比較的簡単な上、短期的には大きな威力を発揮するからだ。それゆえ、そこにすがってしまう人が増えているのではないだろうか。
例えば、会社で業績を上げられないときに、「人を支配すること」で業績を上げようとしたりする。あるいは、恋愛が上手くいかないとき、友人関係がうまくいかないとき、家族関係が上手くいかないとき——とにかく人間関係が上手くいかないときに、相手を支配することで上手くいかせようとする。そんな人が増えている気がする。
そうなった理由は、一つには「人間関係が現代人の生活の大部分を占めるようになった」ということがあるだろう。我々は人間と接する時間がとても長くなった。逆に、人間と接しない時間は短くなった。その意味で、人間は「人間関係過剰」の状況に置かれている。
この人間関係過剰状態の中で、競争社会を勝ち残ろうとしたときに、人を支配するのは一つの武器となる。人を支配できれば、自分の思う通りに動かせるので、取りあえずの問題は回避できる。
ただし、人を支配することには強烈な副作用があるので、けっして推奨できる問題解決方法ではない。しかしながら、実は多くの人が「無意識」のうちに他人を支配しようとしている。意識では「支配してはいけない」と分かっているのだが、自分でも気づかないうちにしてしまうのだ。
そうなると、支配される方も気づきづらく、従って支配されやすくなる。例えば、日本の教育現場がそうだ。日本の教育現場は、1970年代から荒れ始めた。当時は特に、校内暴力が増えていった。
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