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みなさんにも『ジョーカー』という映画をぜひ見てほしい
『ジョーカー』は、いろいろ掟破りな映画である。文学性が非常に高いにもかかわらず(そしてエンタメ要素は意外にくらいに低いにもかかわらず)、アメリカでも日本でも大ヒットしている。
これは大きな驚きに値する。かつて『百年の孤独』という小説が難解な純文学でノーベル賞も獲りながら、なお大衆性も獲得してベストセラーになったことがあったが、それを彷彿とさせる。
そういえば、日本では村上春樹さんの小説もベストセラーになっている。それと同じで「本質的にはありえない」という興奮がある。とにかくこれだけ文学性の高いものが同時に大衆性を得るのはほとんど奇跡といっていい。ぼくはまだその理由を十全には解して切れていないから、これから分析するのが楽しみなくらいだ。
奇跡がなった要因の一つは、「テクストの多様な読み解き」が可能なことだろう。「多用」というよりは「多層」かもしれない。
例えばこの映画の主人公アーサー(後のジョーカー)は、浅い読み解きでは「狂人」である。しかし精神病について少しでも知見のある人なら、彼のありようは狂人のそれとは明らかに違うと分かる。もちろん、昨今の病名が無限に増殖していく精神医学の世界では彼もまた「病人」ということにはなるかもしれない。しかしそれでいうなら現代人のほとんどが病人であり、そうでない人はもはやマイノリティとすらいえよう。
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