君がひとり目のデザイナーなら今すぐデザインデータをデザインするべきだ
一般的にデザインデータをデザインするタイミングはいつなんだろう?
2人目のデザイナーが入ってくるタイミング?ぐちゃぐちゃのファイルに我慢の限界がきたエンジニアに声をかけられたタイミング?
もし君がデザインの価値を信じているなら、今すぐデザインデータをデザインしよう。
この記事ではデザイナーがひとり(または少人数)の時からデザインデータのデザインに投資すべき理由とその方法、そしてそこから得られるものについてお話しします。
より具体的な方法に関しては、すでに素晴らしい記事がいくつも公開されているので、そちらを参考として紹介させていただきます!
ひとり目のデザイナーの状況(もしくは惨状)
本題に移る前に、ひとり目のデザイナーがどんな状況にいるのかを理解しておきましょう。大抵の場合、ひとり目のデザイナーは次のような状況に陥っています。
ありとあらゆる作業依頼が山のように飛んでくる
「入社おめでとう!早速だけどオンボーディング体験の改善プロジェクトにジョインしてほしんだ!」「すみません、SNS投稿用の画像を水曜までに作ってもらえたりしませんか?」「空いた時間でいいから社内イベント向けのポスターを1つお願いできないかな」「名刺、おしゃれにしたいっすね!」
作り切った後は各依頼者とのコミュニケーションが待っている
「依頼していたデザイン、どこにあるっけ?(3回目)」「これ、以前話した文言の修正が反映されてないよ」「これって最新の画面じゃないの?」「ここは以前作成したこのコンポーネントで実装したいんですが…」
そう、ひとり目のデザイナーは大量のアウトプットが求められる一方で、コミュニケーションのハブにもなる必要があり、作れば作るほど作る時間が削られていくジレンマに陥りやすい状況にいます。
そんな中で、なぜデザインデータのデザインを行う必要があるのでしょうか?
デザインデータをデザインする理由
結論から言うと、デザインデータをデザインする理由はデザインの価値の総量を最大化させることができるからです。
ここからはデザインの価値の総量を最大化させるために、デザインデータをどのようにデザインしていくかをお話しします。
具体的には以下の3つのデザインを行いましょう。
デザインの効率化
コミュニケーションのハブ化
デザインの民主化
何当たり前のこと言っているんだ、と言う感じですが、ひとりの時からやるべきだ、というのが今回の肝です。
1. デザインの効率化
一つ目の取り組みは「デザインの効率化」です。
これは基本中の基本とも言える取り組みで、ひとりのタイミングから実践している方も多いのではないでしょうか?
FigmaやSketchをはじめとした最近のデザインツールは効率化に必要な機能はなんでも揃っています。それを活用しない手はありません。
スタイルやコンポーネントを用意し、それを再利用することで作業効率は飛躍的に向上します。
また、デザインデータとは直接関係ありませんが、最近はコンテンツ生成などの文脈でGenerative AIの活用も必要不可欠になっていると実感しています。
プロンプトの扱い方を学び、いかに自分の作業を代替えさせられるかで生産性に倍以上の違いが生じています(これは今段階ですでに起きていることです。将来この差はもっと広がるでしょう)。
チェックポイント
✅ 文字やシャドウ、カラーはStyleに登録されている?
✅ ボタンやリスト、画面で何度も登場する要素はComponent化している?
✅ OSのUI Kitは活用できている?
✅ コンテンツ生成や作業を自動化するPluginを活用している?
参考ソース
✅ Design tooling at scale. How Dropbox migrated to… | Dropbox Design
✅ デザインシステム|デジタル庁 (digital.go.jp)
✅ iOS 16 UI Kit
✅ Material Design 3 UI Kit
2. コミュニケーションのハブ化
デザインの効率化はとても重要ですし、最初に取り組むべきデザインでしょう。そして、それと同等かそれ以上に重要なのはデザインデータがコミュニケーションのハブとして機能していることです。
デザイナーはあなた一人しかいません。他に誰もデザインの質問に答えられるメンバーはいません。誰かから質問されるたびにあなたの作業時間は失われ、返事をするまでの間、その誰かの時間も失われてしまいます(そして返事を書き終えたあなたが再び集中できるようになるまでの時間も!)。
そうならないように、ハブ化を進めましょう。
しっかりとデザインされたデータは、あなたの分身となり、あらゆる質問に答えてくれるでしょう。
チェックポイント
✅ ファイルディレクトリは誰が見てもわかりやすいようになっている?
✅ カバー写真はしっかり用意している?
✅ 誰もが正しいデザインにアクセスできるようになってる?
✅ 開発チームが必要としている情報は揃っている?
参考ソース
✅ チームで把握できる!Figmaデータの運用方法
3. デザインの民主化
さぁ、土壌は整いました。
コミュニケーションのハブとなったデザインデータにより、他のメンバーはデザインをより身近な存在に感じてくれるでしょう。
効率的にデザインされたデザインデータは簡単な変更や修正程度ならワンクリックで実現可能になっています。
デザインを民主化するときです!
ここに来てデザインデータと関係ない話を?と思われるかもしれませんが、これは僕がこの記事で一番伝えたかったことです。
誰があなた一人でデザインを背負い込む必要があると言いましたか?
「ひとり目のデザイナーだから、自分しかデザイナーがいないから全部自分でなんとかしないと…」
その責任感は素晴らしいし、とても重要なことです。けれども、それが足枷になり、会社全体のスループットが低下していませんか?
あなたがやるべきことはあなたがデザインを作ることではなく、会社全体でのデザインの価値の総量を増やすことです。
チェックポイント
✅ 「自分で作ったデザイン」から「会社が生み出せたデザイン」へ意識をシフトする
✅ デザインの効率化とコミュニケーションのハブ化を行う際に、他人がデザインデータを触ることを前提にデザインを行う
参考リンク
✅ Design Maturity model
✅ The New Design Frontier
この章の締めくくりにこの言葉を置いておきます。
あなたの会社もきっとそうなるでしょう。そして、あなたの存在は今後の組織のデザインのあり方に多大な影響を及します。
だから、今すぐデザインデータをデザインしよう。
皆さんとデザインやサービスについてお話ししたい!
稚拙な文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を書いたもう一つの理由は、他の会社のデザイナーやPdM、エンジニアの皆さんとデザインやサービスについてお話ししたいと思ったからです。
もし、お話ししたいなーと持ってくれた方がいれば、Twitterで(@mikazukicss)気軽にお声がけいただけると泣いて喜びます。
僕と話したくなくても、Unlaceに興味をお持ちいただけた方がいれば、こちらからカジュアル面談も可能です!笑
それでは!また!
Nipper.