NIPHジュネーブ研修後半
2024年度、ジェネーブ担当のA.Hです。東京の病院からきました。
学生時代から初期研修にかけて県庁や保健所、ケニアに行った経験から、もっと公衆衛生について幅広く学びたいと思い、国立保健医療科学院での研修を志望しました。
結果的にはキャリアプランは変わりましたし、何より刺激的な仲間たちと出会うことができ、かけがえのない2ヶ月となりました。
少しでも興味があるなら、臆さずこのコースを選んでみてください。
さて、ジェネーブ後半編の説明になります。
スケジュール
2024年10月16日(水)
09.15 –10.00 UHC Primary Health Care – Dr. Shams Syed,
10.00 – 10.45 Tuberculosis – Hannah Monica
12.00 International Classification of Diseases – Dr. Maaya Kita (喜多 眞彩)
14.15 –15.00 Mental health – Dr. Dan Chisholm
15.10 –16.00 SDH and career path in global health – Yukiko Shinya (新谷 幸子)
2024年10月17日(木)
公衆衛生における日本の国際外交 ジュネーブ代表部 松村漠志先生
授業内容
10月16日はWHOの最終日でした。
授業形式は、日程表の内容に記載してあるトピックの概論を先生方にご講義いただき、後半はディスカッションでした。
日本人の先生も含め講義はすべて英語です。
全体を通じて、WHOの意思決定やどのような課題を取り上げるかというプロセス面を学べたのが良かったと思います。
また、WHOの役割の一つとして、新しい健康概念を提唱することと知りました。扱う対象が大きくなるほど、組織の方針は曖昧になっていくのは必然で、そういった中でいかに世界各国を動かしていけるのかが醍醐味だと感じます。
一方で、ICD(国際疾病分類)では、どの疾患を加えるかという駆け引きやアフリカ諸外国に余力がなくupdateできていない問題など、グローバルヘルスで避けて通れない政治的な問題も垣間見えました。
追記)
シンプルに英語でディスカッションするのが大変で、危機感を抱けたのもある意味良かった点です。
10月17日は在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の松村先生のご講義でした。厚労省から出向され外務省の立場で、ジュネーブで各国際機関で調整をされていました。
発言のタイミングや各国の外交官と情報交換など外向的なテクニックを要するようで、非常に興味深かったです。
ちまたで言われる”プレゼンスの低下”が、どのように日本に影響を及ぼすかというお話も、外交の第一線ならではでした。日本から見た国際機関の裏話もあって、楽しかったです。
厚労省といえど、国際機関も含まれば仕事の幅がかなり広く、それぞれの分野で活躍されてる先生方への尊敬の念が深まりました。
生活環境
Cornavan駅という東京駅のようなところの近くで宿泊しました。
ジュネーブは治安が良く、物価があまりにも高いこと以外はストレスなく生活できました。
また移動手段はトラムでしたが、ほぼ定刻通りで使い勝手は良かったです。
観光都市ではないですが、綺麗な教会やチョコレート屋さんなどがあって散策しがいがありました。
少し足を伸ばせば、リヨンやチューリッヒにいけるので楽しいと思います。
総括
4日間を通じて、健康における最上流の機関であるWHOやGAVIの考え方や健康の捉え方を学べたのは一つの財産となりました。
また研修生と4日間一緒に生活して、ディスカッションや観光、飲み会などジュネーブを満喫できました。同じ授業からでも捉え方は異なり、いくら話しても話し足りなかったです。
無料で社会人がここまでの研修を受けられることはないと思うので、そういった意味でも貴重な経験をできました。
興味を持った方はぜひNIPHへ応募してみてください!