あなたの時間

『あなたのじかん』を、よかったら。

もうすぐ9月、ということで、1日(日曜日)から新しいことをはじめたいと思います。

タイトルは『あなたのじかん』。

すでに『「あなたの時間」に起きたこと。』

という仕事を手がけていますが、ここで「あなたの時間」と呼んでいる15分、未二観の形でお話をうかがう時間をご提供します。

無償で。

きっかけは、先日、とあるサイトを見たことです。

「話し相手・愚痴」とカテゴリー分けされ、1分100円と値段がつけられたそこには「話をききます」というたくさんの人がいて、こんな言葉が並んでいました。

「5分でもお話ききます」
「あなたの全てを受け止めます」
「あなたを癒します」
「1分でも」

ありえない、と思いました。

ぼく自身、仕事をする上で「きくこと」をとても大事にしています。
そして「きかれること」がいかに人を元気にするかも身にしみて知っているつもりです。

だから、このサイトを通じてきかれることで、ホッとしたり安心したりする人もいるんだと思う。

それでも、暗澹たる気持ちになりました。

1分100円と値段がついていたら、聞き手はどうしても話を伸ばしたくなってしまうだろうし、悩みを打ち明けたい人の話は長くなる傾向があるから、引き伸ばすことはそれほど難しくない。

それに、電話で「全てを受け止め」たり「癒し」たり、1分でも5分でも「ききます」というのが、どうしても理解できませんでした。

率直に言って「そんなふうにきかれたらつらいなあ」と感じたのです。

ぼくにとって「きくこと」は、受け止めたり癒したりすることではありません。

そうではなくて、旅行に行ったときみたいに、その方のお話をうかがい、その場所を訪ね、体験し、感じ入る。

見事な景色に思わず写真を撮ってインスタにアップしてしまうような衝動で、言葉をたどる。

この記事のカバー写真のように、時にはリズムに乗って踊ってしまう。

そして、いっしょにある地点まで冒険をする。

そういう営みだなあと思うのです。

橋本 「話す」って、一言一言が呼吸です。だから僕が話せるというのは呼吸ができることであって、もし相手が僕の心の底まできいてくれるなら、僕はこの呼吸を心の底からできていることになる。喋れるというのは、音にのせて息ができるようになっていくわけです。

(略)

息ができる相手のところに人も集まるし、ディズニー映画のバンビとかジャングルブックとか、森の動物も集まって来るじゃないですか。それは、そこにいると息ができるからだ。それが「話す」ということで、日本語では息ができるそのことを「生きる」と呼ぶんじゃないですかね。
(西村佳哲『一緒に冒険をする』P.171-172、橋本久仁彦さんのインタビューより抜粋)

橋本久仁彦さんがそう語るように、話したり聞いたりという活動は、呼吸のようなものだと思っています。

水や空気のように、人にとって、生きていく上でなくてはならない基盤となるもの。

だから、基本的に無償のほうがいい、とも思っています。
理想をいえば、聞く専門家もいらない。

ただ、すこやかに息ができる場所さえあれば。

そんな思いがあって、月のあたまに、何名か、無償で『あなたのじかん』(未二観)をご提供することにしました。

概要は、こんな感じです。

◎ 9月1日(日曜日)になりましたら、フェイスブックに希望される方をつのる投稿をします。

◎ 希望される方は、コメント欄かメッセンジャーで声をかけてください。先着順で受けつけます。

◎ 15分の『あなたのじかん』(未二観)とその後の雑談で1時間ほど、ごいっしょできたらと思いますので、日程調整をさせてください。(即レスである必要はありませんが、スムーズに連絡がとれる方を希望します。)

◎ 当日はフェイスブックのビデオ通話か、「ZOOM」というビデオ会議システムを使用しますので、それらが使える環境にいてください。

あ、そうそう。

この『あなたのじかん』を通じて出会った方と、その後に『あなたのうた』『歌い手冥利』『作曲事始』『「あなたの時間」に起きたこと。』といった仕事でご一緒できたらいいな、という気持ちはもちろんあります。

そして、そこではきちんとお金をいただきます。

ですが、それはご縁と関心がつながったら、ということですので、この一時間の中で勧誘する気は毛頭ありません。そんなことしたら、つまんなくなるし。

ということで、その後につながらなくても大丈夫ですので、安心してしゃべりに来てください。

窓をあけて、どんな人と出会えるのか。

その方とどんな旅に出かけられるのか。

そのことを、とても楽しみに思っています。

(なお、サイトを運営されている方と知り合いなので尋ねてみたところ、ユーザーの評価があるので時間を引き伸ばすような聞き手は淘汰されていくそうです。安心しました。)

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澤 祐典
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