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夢みたいだった。

きょう、ご近所にあるウェーブGグラス工房さんで、ステンドグラスの制作体験をさせてもらった。

ここは前々から奥さんが行きたいと言っていたお店だった。
小雨が降る中、けっこうな上り坂をえっちらおっちら歩いて登る。
扉を開けると、先生やスタッフさんが温かく迎えてくれた。ついでに二匹のワンちゃんもさかんに吠えて出迎えてくれた。

作れるものがいくつかあるらしいので、奥さんはフォトフレームを、僕はトレイを選び、最初はステンドグラスのふちにテープを貼っていった。貼っている間に、さっきのワンちゃんが何回も僕のズボンをくんくん嗅いだ。

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この金色のものがテープで、これがないと次のハンダこての作業がうまくいかないらしい。「これはアメリカ式の作り方で、これができたおかげでみんながつくれるようになった」と先生から教わって、へーと感心する。

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ちなみに僕はこうした地道な作業がわりと好きだ。スーパーの品出しもすきだったし、家の片付けも得意なほう。そんなわけで、福山雅治『福のラジオ』が流れる中、修行僧のように一時間ほど黙々とテープを貼りつづけた。

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そのあとは貼ったテープに沿ってハンダをつけていく。ハンダごてなんて使うの、技術の授業以来でなつかしかった。

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ところで、ハンダというやつは、じゅばっと出るときとぜんぜん出ないときの差がはげしい。なかなかうまくつかないなーと苦戦していると、スタッフさんがサーッと美しくハンダをつけてくれた。「ハンダは友達」みたいな感じがした。僕はぜんぜん仲良くなれなかった。

そんな僕だったが、先生やスタッフさんのやさしいサポートのおかげで、三時間ほどかけたら、ちゃんとトレイができた。

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あんまりキレイで、ちょっと感動してしまった。
自慢するためにフェイスブックに公開したら、友だちが「いろいろな小さな海がたくさん見える窓みたい!」と言ってくれた。

地道な作業が得意でない奥さんは、その割に要領よく作業を進め、僕よりずっと早くフォトフレームを完成させていた。

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これもすごくいい。色のチョイスは工房でしてくれたのだけれど、グレーみたいな自分たちでは選ばなそうな色がこの並びに入ることでうんと引き立つ。

できた作品を前にわーきゃー言っていると、先生が作品を飾っているギャラリーに案内してくれた。

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僕の iPhone で撮った写真すらこんなにキレイ。実物はもっとすごい。
夢のなかに入ったみたいだった。奥さんと二人「うわー!」と声をあげて、先生やスタッフさんに笑われた。

緻密にみえるこれらの作品も、さっき僕らがやっていたのと同じテープ貼りとハンダづけでできているそうだ。そう言われてよくよく見ると、同じ技術が(とてつもなく複雑な形で)施されているのがわかる。

工房には他の生徒さんらしき人たちもいて、それぞれに作品づくりに没頭していた。展覧会に出すという人もいた。先生やスタッフさんもそうだが、ここに来ている人たちも雰囲気がいいなあと思った。

奥さんは早速、次につくるものを決め、日程の予約までしていた。
僕はといえば、あんまりきれいにラッピングしてもらったので、トレイを袋から出せないままでいる。

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