男の心の傷の治し方

男の心の傷の治し方

風邪をひいた。
風邪をひくと、からだの感じがいちいち変だ。考えることも暗くなる。

だからだろうか、いま「支配」のことが気になっている。

人はたぶん、誰かに支配されることを最も嫌う。
けれど人はまた、追い詰められると、人を支配し、服従させようとする生き物でもある。

児童虐待についての記事を読み漁りながら、そんなことを考えた。
そして、そこには傷ついた男性性が現れているように思えた。

なにかのきっかけで恥を感じると、男(男性性)はいたたまれなくなって暴れたくなる。そして、弱い立場のだれか(それは自分自身の場合もある)を力で恐れさせ、支配しようとする。自分の心の荒れを、暴力によって解消しようとするわけだ。

児童館の男の子たちを見ていても、そんな動きがしょっちゅう見られる。僕自身にもそういうところはある。虐待は、それが極化しただけなのかもしれない。

自暴自棄、暴力、暴走。
暴れたくなるとき、たぶん男(男性性)は傷ついている。
そんなとき、男は癒される必要がある。

でも、どうやって?

男性が癒しに触れることは、女性よりもずっと難しい気がする。
怪しい、情けない、弱々しい。そんなイメージもつきまとうかもしれない(少なくとも僕はそうだった)。

でも、男はもともと弱くて繊細なものだ。
傷をうまく治さないと、暴れようとする力は元に戻らない。

どうしたらいいのかな。

人に悩みを打ち明けたり、助けを求めたり、カウンセリングを受けたり、勇気を出してスピリチュアルな分野に飛び込んだり、信頼できる友達をつくったり、女性がしているそれを男性もできるようになったらいいなと思う。

そうして少しでも、心の傷に触れてもらえたら、なにかが変わるような気がする。

まっすぐに行使される男の力は美しい。
威厳、凛々しさ、雄大さ、それは人を守る力になる。

「弱くたっていいんだ。」

逆説的だけれど、そうした男の力は、自分は弱いと思えたときに現れるような気がする。弱さを知らない強さは、やさしくないものね。

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澤 祐典
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