大人になるって、なんだろね。(6)
(前回の記事はこちらから)
心理学を修めたわけではないので
ざっくりした説明になるけれど
「転移」というのは、
幼い頃、大切な人(ほとんどが親)
との関係で未消化だった感情などを
別の誰かに映して、反応してしまうこと。
たとえば、他人のささいな言動に
腹が立って腹が立ってしかたがない、
みたいな反応が起こる。
僕は『魂と繋がる歌の唄い方®︎』の
師匠、本郷綜海さんの場で、
このことをみっちり教わった。
そして、僕もたえず
他人に転移しまくっているし、
転移されまくっていることを知った。
人生は転移だらけなのだ。
転移しているとき、
成人であっても子ども並みに
視野が狭くなる。
まったく現実的ではない、
自分だけが感じている
ストーリーの中に
はまってしまうこともある。
それは周りから見れば
ずれているのだけれど、
本人にはリアルだ。
だから、ずれたまま、
人とつながれなくなってしまう。
そういうとき、
成人同士の関係であっても
大人と子どもに分かれる。
そして、
転移に入った子どもに対して
「大人」の役割を
適切に果たしてくれる人がいると、
その人の傷は癒えて、正気に戻る。
子どもの自分の痛みに触れて、
自分の「本当」のところで
人と出会い直せたとき、
わけもなく涙が出てくる。
かつての大事な人(ほとんどは親)の
代わりになって、
子どもの自分と向き合ってくれる人。
それはめちゃメンドくさいことだし、
エネルギーもいる仕事だ。
でも、
それを引き受けてくれる人がいる。
先の本郷綜海さんもそうだし、
たぶん僕の知らないところで、
たくさんの人たちが
僕の「子ども」の面倒を
みてくれたことだろう。
そう思うと、頭が下がる。
そして、
そういう人たちがいなければ、
僕たちは本当の意味で
大人になることはできないのだと思う。
(つづく)
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