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見届けねばなるまい。
ふとしたことから昔のアニメのオープニングを観ることになり、どハマりしてしまった『ベルサイユのばら』。
その後見続けて、いま全40話のうち、15話あたりにいる。
冒頭から10話くらいまではアントワネットとデュバリー夫人との「声をかけるか否か対決」が盛り上がり、大変楽しんでいたのだけれど、国王の崩御に伴って夫人が失脚。
デュバリー夫人を超えるこってりした悪役はもう出なかろうと思いきや、出るわ出るわ。オルレアン公もドゲメネ伯爵もジャンヌも嫌な奴だが、なんと言ってもポリニャック夫人がすごい。本作史上もっとも悪い奴はこいつかもしれない、と思うぐらいの大活躍ぶりだ。たかるわ殺すわやり放題。
しかも、わかりやすく悪役顔のオルレアンやドゲメネに対し、ポリニャックは善玉顔なのだ。最初はアントワネットのみならず、僕自身もだまされた。
そして回を重ねるごとに重苦しい圧迫感が高まっていく。一ヶ月の謹慎を命じられ「今回はお忍び旅行で息抜き回だね」なんて軽い気持ちでいたら、そこでも打ちのめされる結果になるし。
でも面白いのだ。とんでもなく。
悪役があまりに非道いからか、オスカルの美しさがさらに際立つ。それでもその美しい光がだんだん、だんだんと暗い影に覆われていくのを見守る。
史実を元にしているから、この先どうなるかはだいたい分かる。
それでも見届けねばなるまい、という気持ちが高まる。
それにしても、70年代にこれが子ども向けのアニメとして放映されていたことに驚く。でもこういうはっきりとした悪さについて学んでおくことは子どもの心にとっていいことかもしれない。
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