![音楽に浸る](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11075038/rectangle_large_type_2_661e342e9b77246ee7c8cb51c205a4fe.jpeg?width=1200)
知らない人の作った曲に心を鷲掴みにされる経験。
先週の木曜日に聴いたこの曲に、どハマりしている。
King Gnu の『白日』。今日で五日目になる。
YouTube で何度も聴いて、歌って、それだけでは足りずに、iTunes Store で買って。
自転車に乗っているときにも聴いて、聴きながら歌って、体の赴くままに踊って。
ギターの弾き語り動画を見つけて練習して、歌もギターも難しくて、でも、「もっと歌いたい」「もっと弾きたい」「もっと練習したい」という気持ちがどんどん湧いてくる。
電撃が走るみたいに出会って、海に潜るみたいに歌に浸って、浴びて、ごくごく飲んで。ものすごい回数聴いているはずなのに、まったく飽きない。
こんなこと、本当に久しぶりだ。
いつぶりだろう?
もしかしたら、中学生とか高校生とか。
はじめて B'zの『LOVE PHANTOM』をライブで聴いたときやミスチルが『Tomorrow never knows』を発表するのをテレビで観たときに、それはあった。
圧倒的な新鮮さと感激、電撃。
何度も何度も何度も何度も、染み込ませるように聴いて、歌って、体を動かして。何度も何度も何度も何度も。
なんでそうしていたのか、いまだによくわからない。
でもそうすると、めちゃくちゃ気持ちいい。
そして、それを渇望していたのがわかる。
そんなことはもうないのだと、僕は心のどこかで諦めていたのだと思う。
あれは若くて新鮮な感覚に、たまたま合った刺激がやってきただけだと。
まして、B'z やミスチルならともかく、全然知らない若いバンドの曲でそんなふうになれるなんて。
「売れてるから」でも「知ってるから」でも「好きだから」でもなく、初対面で一気に心を鷲掴みにされる経験。
いま、ふいに訪れたその嵐の真っ只中にいて、とても幸せな気持ちと、音楽家としては実力の差を見せつけられて悔しい気持ちと、なつかしさと不思議さがある。
そして、思った。
こんなふうに全く知らない人の歌が、ここまでの反応を呼び起こすのなら、自分がつくった曲だって、そうならないとは限らないじゃないか。
不遜とは思えなかった。
むしろ、一切そうならないと決めつけることの方が傲慢に思えた。
なんか、そういうことなのだ。
歌をつくって分かち合うということは、そのくらい不思議に満ちているのだ。
そうなるかもしれない。そうならないかもしれない。
でも、自分が思いっきり表現したことが、そんなふうに強烈に受け取られることは、ありうる。
なんてコミュニケーションなんだろう、音楽って。
そして、僕は「もっともっと」と飢えている。
もっといい曲に出会いたい。
歌がうまくなりたい。ギターが弾けるようになりたい。
そして、いい曲がつくりたい。
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![澤 祐典](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/2357127/profile_7c5f980edda2561d7f4d4bdb41245e28.jpg?width=600&crop=1:1,smart)