ライブってなんだろう。
昨日も書いたけど、ライブが明日に迫っている。
いまは名古屋の自宅にいて、布団では奥さんが寝ている。いい天気だ。
ライブ前日の綿密なリハーサル、はしていないどころか、さっきまで僕も寝ていた。
僕のひらくライブは、ふつうの音楽ライブと違う。
ステージの上に立って、たくさん照明が当たって、お客さんがワーッとなるようなライブにはならない。
ステージはなく平場で、お客さんと同じ目線で、顔が見える人数で。
何回やっても、そんな感じになる。
知名度も人気もまだないからそうなるというのもあるけれど、僕自身「ただ歌を唄うだけ」というのが、しっくり来ない。もっと一人一人と知り合いたくなってしまう。
そして、知り合う中で、その瞬間に必要な歌を唄いたいと思う。
あらかじめ決めた順番で唄うのではなく。
あの日 あのとき あの場所で
君に出会わなければ
僕らはいつまでも 見知らぬ二人のまま
(小田和正『ラブストーリーは突然に』より)
という曲があるけれど、その日、そのとき、その場所で出会う意味みたいなものを見つけられたら勝ちだと思っている。
こんな名も無い唄い手に、貴重な時間をつかってくれるというのは、ただの慈善ではないはずだ。
そんなふうにして、来てくれた人といまここにいる意味を確かめながら、存在を交わすこと。いまのところ、僕はライブをそう捉えている。
もしかしたらそれって、「ただ歌を唄うだけ」で、いちいち喋ったりしなくても、一人一人の顔が見えなくてもできるのかもしれない。ミスチルだって、サザンだってそうだし、僕はそういうライブを大いに楽しんできたから。
でも、いまはこのかたちだ。
ステージから見下ろすのではなく、同じ目線で圧倒的に知り合いたい。
そんなライブが、明日ひらかれる。
一人また一人と参加者が増え、今日も「いきます」と表明してくださる方がいた。
そのたびに「こんな時間になるんじゃないかな」という漠然としたイメージがぐにゃりと曲がって、別のなにかに変わっていく。
11月3日、午後2時から、東京・西八王子のアトリエアムリタで、「導かれし者たち」と。
どんな時間になるのかなあ。
わからないけれど、いまはいい予感がしている。