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都会ではなかったのに、田舎ではある。

福岡県那珂川市の南畑に来て、四週目が終わった。
休みのたびにこの地区の食べもの屋や公園など、いろんなところに行っているのだけれど、まだ行きたいところがいくつも残っている。

名古屋にいたときには、数カ所しかお気に入りの場所がなかったので、驚きの変化だ。普通、都会のほうがなんでも「ある」と言われるのに、僕たち夫婦にとっては都会のほうが「なく」て、田舎と呼ばれる南畑のほうがずっと「ある」感じがする。

以前、

という記事を書いたけれど、その印象はまったく変わっていないし、みえる顔はさらに増えた。いま思えば、都会では顔をみえなくするようにして暮らしていたんだなあと思う。

のっぺらぼうの街の中で、唯一見つけた顔がみせる店に大喜びもしていたが、いまはそういう店ばかりになった。

顔がみえるということは、食べ物にしても商品にしても、ひとつひとつの質量が多いことを意味する。だから、なにを買っても充実感がある。これが本当の商いじゃないかなと感じる。

何度も言ってることだけど、何度も引っ越しをしたけれど、ここまでの変化はなかった。田舎暮らしは不便だろうなと覚悟したけれど、思い切って飛んでみてよかった。「ない」と思っていた田舎にはたくさん「あって」、かえって今までの方が「なかった」ことに気づかされたのだから。

おいしい空気や水もそうだけれど、なにより人とのかかわりがいい。
これは田舎だから、というものではないだろう。都会に近いここ特有の、程よさがあるような気がする。

今日も朝から、気の合う人たちと仕事をして、ずいぶん元気になってしまった。働くというのは、おたがいを元気にしあうことなんだな、と改めて思った。そんなふうに思ったことはなかったのだけれど、こっちが普通なんだろうなと。

そんなふうにして「ある」なあ、「ある」なあと思いながら、もうすぐ一ヶ月になろうとしている。来てよかったと思うし、これからもずっとそう言っていられたらいいなと思う。

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澤 祐典
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