はるなつあきふゆ

ここではないどこかへ。

昨日の『歌い手冥利』で唄ってくれた歌を、ご本人の許可をいただいて、先程アップした。

先に二曲唄って、これが三曲目。
伴奏を練習していたので、ちょっとしたセッションのつもりで参加したら、歌の力に惹き込まれるようにして、どんどん夢中になっていって、

なんだかすごいところまで行った。

あったかくて丸いなにかに、大きく包み込まれている、みたいな。

指と指を合わせて、その触れについていく「影舞」でも時々起こるけれど、それは自分の枠が融けて「なにか」にすっぽりと収まってしまうみたいな体験だった。

未二観(みにかん)でいう「未二」(いまだ二つに分かれていない状態)とは、このことだったのかもしれない。

演奏直後に「すごい!」と叫んでいるけれど、ぼくも同感だった。

これはすごい。

それは歌の巧拙とは別次元にあるなにかだった。
音は聴いているようで聴いていなかったから。

それよりももっと「体験」だった。
圧倒的で、あったかいなにかだった。

一応、自分の仕事ではあるのだけれど、この頃にはその意識も薄れて、すっかり一観客として歌をたのしんでいた。

最後の最後に唄ってくれたこの曲は、小学校からの帰り道みたいな感じがして、ひときわ沁みた。

むかしむかしの景色たち
なきものぜんぶ ゆめのなか

「人生は夢だ」と人は言う。
でも、こんな夢なら、ほんといいよな。

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澤 祐典
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