トグロ

トグロ 【あなたのうた #20】

『トグロ』
作詞 澤 祐典 作曲 澤 祐典

貴方に愛されて 裸に触れられて
揺れる炎は未だ いま燃えてるから

このまま抱き寄せて その手を離さないで
ねぇ、いまも ここにいるの?
あなたの 墓標

どうせあたしなんか キッチンの隅の
スポンジみたいに 使い捨てられて

汚れという汚れ あるいは 穢れなるものを
吸い取って とって とって

毒をためる

あなたに毒されて そこまで往こうとして
愛される資格をさがした

もう一度好きって 聞かせて 
あなたのことしか 見えない
からだの奥が 冷めない
燃え盛る 私のマグマ

もしもあの日 出逢わなければ よかったの?
心は 浅瀬を離れて 帰れない

さよならだけは 言えない
溢れ出す涙 吐き出したら
真夏の夢は さめない
煮えたぎり 毒蛇に変わる

トグロを巻いて 泣いているんだ

どうせあたしなんか キッチンの隅の
スポンジみたいに 使い捨てられて

汚れという汚れ あるいは 穢れなるものを
吸い取って とって とって

光に換える

明日朝 目覚めたら 世界はひろがってるから
くるくるまわり 新しい顔を見せるだろう

今度また 出逢えたら
はじめて会ったみたいな顔して はにかんで
「こんにちは」なんて 言ってくれよ

どこへもいかないで この手を離さないで
ねぇ、いまは 何処にいるの?
あなたの 墓標

トグロを巻いて 泣いているんだ

今日お渡しした『あなたのうた』。

もともと、詩的な言葉を使われる方だったので、その言葉の息遣いや躍動を曲のどこに据えようかと楽しみながら、つくらせてもらった。

『あなたのうた』はどの曲もそうだけれど、歌うのにかなりエネルギーを要する。この曲は特にそうで、今日、二回歌ったけれど、それこそスポンジじゃないけど「全部絞り切りました」みたいな気分になって、そのあと寝込んだ(笑)。

細かいところでは、「貴方」「あなた」「あたし」「私」とパートによって人称を変えている。これは同じ人を指しているようで、違う人にも思えるし、同じ人でも「貴方」と呼びたいときと「あなた」と呼びたいときがある、ということかもしれない。

いずれにしても、お話を伺った体育館でのバレーボール大会決勝の熱気が、うまく収録できたのではないかと思う。「決勝」とか「決戦」っていう言葉も出てくるかなと思ったが、それらは熱そのものに換わったらしい。


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