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60代からの仕事。

名古屋に住む父が、退職したと聞いた。
71歳だから、ずいぶん長く勤めていたのだけれど、まだ働きたいから次の仕事を探すそうだ。

ここ那珂川市南畑では、たくさんの元気な60代、70代の方にお会いする。
「年金生活だから」と言いながらバリバリ農業をしていたり、マンション経営をしていたり、アートをつくっていたり、僕たちといっしょに実働部隊になって動いてくれている人もいる。

何度か書いてきたことだけれど、僕はもともと「仕事したくない」派の人だった。

仕事は、僕から時間を奪い、自由を奪い、体力を奪う不自由なもの。

と思っていたからだ。

ところが、ここでの仕事は、人が人とかかわりをもつ大事な手段のように見えている。

仕事において、人は、自らを表現することができる。
仕事をして、人によろこばれることによって、満たされる自分がいる。

父はそのように仕事をする人だった。マンションの自治会の役員なんかもしていた。母や僕はなんでそんなことをするのだろうと思っていたけれど、近所の人とも上手に付き合っていた。

「人に喜ばれることが大切だ」と思う父と「自分が楽しいかどうか」にこだわる僕とは価値観が違いすぎて、若い時はぜんぜん話が合わなかった。

いま、ここ南畑には、父みたいな人がいっぱいいる。
そして、歳をとったせいか、父の仕事観がだんだんわかるようになってきている。

「することがない」というのは、けっこうしんどいものだ。
人は「すること」が欲しいのだと思うし、その「すること」が人に喜ばれることだったら、もっといい。

仕事とは、することすること...が変異したものかもしれない。
ただの暇つぶしだったのに、いつしかそれが高度な、人を喜ばせる表現になっていく。

そういえば、今日も高度な仕事に触れた。

うどん

農薬をつかわない、自然栽培のものだけでできたうどん屋さん。
うまかったなあ、あのうどん。

そういえば、ここ南畑は「究め人」が多い。
世の60代、70代がそういうふうになっていったら、いいだろうなあ。

父も来ないかな、南畑。笑

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