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思いがけないところにあるステップを踏んで。

以前、「人は自分の本当にしたいことを前に千鳥足になる」と書いた。

うちの夫婦もそうで、様々な場面で酩酊し、千鳥足になりながら「三歩進んで二歩下がる」ような人生を歩んできた。

しかも、うちの場合は「常識外」に踏み出さねばならないことが多かった。周りの人がしているのとは全然違う、親にも誰にも理解されないようなところにしばしば次のステップがあった。

常識外に踏み出すというのは、乗せられるはずのない石に体重をかけるような行為だ。それは『風雲たけし城』の竜神池に似ている。

常識外に踏み出すことは自分の認識を自らこえていくことでもある。そんな一歩を意志の力だけで進めるのは極めて難しい。頭では「ドボンと落ちてしまう」と思っているわけだから。

そういうとき、頼りにしているのが、カードを引いて占ってくれる友人の存在だ。

彼女のことは何度か記事にしてきたけれど、

「地球人のフリをするのをあきらめましょう」なんて、およそ自分では思いつかない。でも、そちらの方向に道があり「そこの石は足を乗せられますよ」と言ってもらえると、自信をもってそこに体重をかけられる。

以前の僕は、占いなんかに頼るのは弱い人のすることだと思っていた。けれど、いまの僕らはこのカード占いがなかったらいられないところにいる。たぶんこれからも「常識外」に踏み出そうとするときには、同じように助力を求めるだろう。

体調を確認するために定期検診に行くように、僕らは時々、友人にカードを引いてもらう。そうして「これでよかったんだ」と安心して、次の一歩を踏み出す。「三歩進んで二歩下がる」の先に進む一歩ぶんは、こうして踏み出された一歩だと思う。

こんなご時世だし、これからいままでの常識はますます通じなくなっていく気がする。そういう「常識外」に踏み出さざるを得ないときに手助けしてくれる人がいることは、本当にありがたい。

たぶん、誰の人生にも自分をこえていかざるを得ない場面がある。でも自分をこえていくなんて一人では到底できないことで、だとしたら、やっぱり誰かの力を借りてしか人生は進めないようになってるんじゃないかな。そんなふうに思う。

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澤 祐典
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