クオリティ・オブ・ライフ。

休みのたびに、奥さんと南畑（福岡県那珂川市）を散策している。
うちには車がない上にバスは30分に一本。なので、移動は基本的に徒歩だ。

いろんなところを歩きまわりながら、心が動いたことを逐一SNSにアップしている。記者になったみたいに撮りまくり、書きまくるので「まるで ”MINAMIHATA WALKER” だね」なんて言いながら、この週末もかなりの距離を歩いた。そして、たくさんの驚きがあった。

ものすごくおいしいマルゲリータのピザを食べたり

ものすごくおいしいラーメンを食べたり
（ここは南畑ではなく、那珂川市内だけど）

花を買ったり

お店でちいさなお茶会がひらかれたり

した。

一番驚いているのは、どれもこれも異常に質が高いことだ。
東京、名古屋、大阪といろんなところに住んだけれど、これほど質も高いものが集まっている地域が、これほど狭いエリアに、しかも「田舎」と呼ばれる場所にあるとは思わなんだ。

ここに来る前は正直、買うものの質が少々悪くても「自然がある」「空気がおいしい」といった理由で目をつぶろうと思っていた。福岡県とはいえ、南畑は都心からは離れているからだ。

ところがどっこい、どっこいしょである。むしろ、いままで食べた中でいちばんいいかも、と思えてしまうものが、そこここにある。一ヶ月住んですっかり南畑が好きになっているのを差し引いても、このクオリティはすごい。すごすぎる。

なんでこんなにどの店も質が高いのだろうと、いつも不思議でならないのだけれど、もしかするとそれはこの土地に移り住む人が「より質の高い暮らしを求めて」「わざわざ」「不便を覚悟で」来ているせいかもしれない。

生まれた土地でも、会社の都合でも、その他外部要因でもなく、自分で決めて、自分で住んでいるから。「質の高い暮らしをしよう」という意志が中心にあるから、自ずとつくるものの質も高まっていく、ということなのかな。

いまはそんなことを思いつつ、ただ驚いて感化されるばかりだけれど、その謎が解ける頃には、自分たちがつくる音楽や作品も同じように来た人の目を見開かせるものになればいいなと思っている。

それがクオリティ・オブ・ライフを高めるということだし、それを高め合う関係が商売だと思うから。