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いい人だらけの世界で。

世の中には、いろんないい人がいるのに「この人サイテーだな」と何度も思ったことのある奥さんが一番好感がもてて安心できるのはなぜだろう。

という話を、さっきまで夫婦でしていた。へんな夫婦かもしれない。

ここ南畑にいると、本当にたくさんの「いい人」に出会う。
親切にしてくれるし、助けてくれるし、その人たちのおかげでいま暮らせているのは間違いない。

こんな記事も書いたくらい、この地域に「いい人」がたくさんいたことは、僕の安心感につながっている。

にもかかわらず、だ。心の底からの安心を求めるとき、「いい人」だけでは物足りない。たとえば毒を吐いたりとか、いじり合ったりとか、そういうことができないと、腹の底からの安心感を持つことが、少なくとも僕は難しい。

これって贅沢病かなとも思うのだけれど、言い換えると、僕は「正直な」人といたいのだと思う。そして「正直」になったときの人って、いいことばかりではないのだと思っている。なんたって人はいびつなものだから。

その意味でいうと『南畑美術散歩』のインタビューでご一緒させてもらった作家さんたちが、僕にとって一番正直者だと感じる。

もちろん他のみんなだって嘘をついてるわけじゃないのだろうけれど、作家さんたちの正直さは際立っている。自分の輪郭のゴツゴツやギザギザがそのまま残っている感じ。だから個性的だし、お話を聞いていても楽しい。こちらも素直になれる。

「いい人」って言い方によっては、そのゴツゴツやギザギザを丸めてしまった人、と言えるのかもしれない。人当たりはいいけれど、印象があまり残らないような、そんな感じもする。意外とそういう人の前では、奮い立ったり、思わず面白いことを思いついたりといった働きが起きなかったりする。

「いい人だといいな」と願うのに、出会ってみるとゴツゴツがいいなんていうのは、やっぱり贅沢病だろう。

でも、地球のどこかに「自分の居場所」をつくりたいと思うとき、へんに気を遣ったりガマンしたりして丸くなるよりも、ろくでなしと呼ばれようと、ゴツゴツ、ギザギザを摩擦させながら、ゴリゴリ造っていきたいものだと思ってしまうのだ。

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