そこに人がいるということ (3)
(前回の記事はこちらから)
オリエンタルランドを辞めてからの数年間、僕はどんな職場にも定着できなかった。
社会起業のNPOに関わってみたり、ソーシャルビジネスの立ち上げに参加してみたり、求人サイトのライターをしたり、就労支援のNPOに入ったり。
どこにいても最初は「最高だ!」と興奮するのだけれど、そのうちエネルギーが切れて、別のところに移っていくことになった。
いま思えば、オリエンタルランドが続いたのは、ディズニーランドに心底惚れ込んでいたからだと思う。
それ以上に心惹かれるものは、外にはなかった。
失礼な話だけれど、様々な社会課題の解決に情熱を燃やす人たちのそばで、僕はなんとなく白けていることが多かった。
内容にも、そこにいる人たちにも、つながれない。
そうこうしているうちに、仕事をしなくなった。
そして、人の話を聞くことに関するワークショップに没頭した。
中でも、大阪の橋本久仁彦さんの場には足繁く通った。
淡路島の宿泊所で、僕が語った15分間を文字起こしして、橋本さんにレビューしてもらったとき、滝のように涙が出た。
大げさじゃなく、人生ではじめてくらいに自分の話を「ちゃんと」聞いてもらい、肯定された感じがした。涙が止まらなかった。
たぶん、これがはじまりだった。
最初は感動的だった橋本さんとの出会い。
けれど、頻繁に通うようになって、だんだんこんな指摘をされることが増えていった。
「澤さんは他人に興味がないし、関わってもいない」
(つづく)
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