区長選準備 追われる陣営
木村区長の任期は4月26日から4年間だったが、わずか半年での辞任となった。区長選は12月3日告示、10日投開票の日程が決まり、関係者は対応に迫られている。
「また江東区で不祥事か」。区内の男性からはため息が漏れた。江東区では、昨年夏に元区議会議員の収賄事件が発覚したばかり。木村区長は「クリーンな政治」を掲げて当選していただけに区民から落胆の声が上がった。木村区長は記者会見で「政治不信を招くのではないか」との質問に「せっかく投票してくださった方々がどれだけがっかりするかということを考えると切ない」と述べた。
区長が任期途中で辞任した場合は繰り上げではなく、再選挙となる。辞表の正式受理から50日以内に選挙が行われる。
今年4月の区長選は、選挙直前に死去した山崎孝明元区長の後任を決める選挙となり、木村区長のほか、区長の長男で自民党推薦の元都議会議員、山崎一輝氏や共産と社民が支持する芦沢礼子氏や元国税庁職員の猪野隆氏らが立候補した。木村区長が2位に1万3000票以上の差をつけて勝利した。
選挙までの準備期間は短く、区長選出馬をめぐる攻防は本格化することになる。ある陣営は「どのタイミングで出馬表明をするかが重要視になる」と語る。
木村区長は「政治不信を招いてしまうのではないかも含めてこの江東区をよろしくお願いします」と言葉を残して区政を去った。江東区の未来は誰が担うことになるのか、注目が集まる。