江東区の鳥獣被害はどうなってる?
ハクビシン、ウミネコ、カラスなどによる被害をよく聞くようになった。江東区の鳥獣対策はどうなっているのか。
10月の決算審査特別委員会(決特)で鳥獣被害の現状について実績が明らかになった。特に深刻なのがハクビシンやアライグマ被害だ。区によると、令和5年度のハクビシンに関する相談は132件、アライグマは42件に上る。実際に生活の被害は41件になったという。一方で、捕獲などの実績は2件にとどまる。区は現地調査や捕獲機設置などを強化して対応しているが、効果をあげているとは言い難い。今後、東京都の防除計画の策定などの動向も注視しながら捕獲方法の改善を検討していく。
その一方で、成果をあげているのがウミネコ対策だ。隅田川沿いの街を中心にウミネコの鳴き声やフン、巣を作るなどの被害が出ている。区は防鳥対策のリーフレットを作成するなどしてウミネコ対策強化を続けており、令和5年度の相談件数は98件、巣の撤去などは202件と前年度の半分になった。
決特ではカラス被害についても質疑が行われた。都によると、カラスの生息数は平成13年に比べ昨年度は2割ほどに激減しているが、都への苦情相談はここ数年横ばいとなっている。中には、繁殖期に威嚇や攻撃による被害も報告されている。区でも毎年110件の相談があるという。カラスの巣の撤去には原則設置場所の管理者が対応する必要がある。決得では、巣の撤去について区が対応する可能性を質疑したところ、「巣の撤去を行っている自治体もある。対応条件や手続きの方法などを調査し、実施を検討していく」と回答した。