この燈し火
しかたないじゃない
許しがたい人なんて星の数ほどだもの
けれども敵にだって家族があって
彼らなりの愛と幸せと承認がある
彼らなりの世界線で生きてるんだ
たとえ左頬からの眺めは悪くとも
右頬は たぶんそれほどでもなかったり
だからそれは結局 ボクだって同じだろう
そう お互いさまなんだ
人サマのことを無闇に忌み責めたてる
その傲慢ちきこそむしろ自戒せねば_と
この地球を その社会を
我ら人類を 彼ら隣人を
くまなく もれなく 諭さなくてもいいのだ
いつもいつも外向きに指してる この指先
あの人が悪いとか この人がドジだとか
そのままぐるんと自分へと返してまおう
そう それでいいんじゃないかな
人様を冒すことは つまり自分を冒すこと
空気を損ねたって 水を損ねたって
結局は廻り巡って我が生命を損ねるのだ
その因には それ相応の果が実る
左に振れたら その同じだけ右にも振れる
人生はそうやって振り子の如くゆらゆらと
ニンジンを撒けば ニンジンが育つのだし
ヒマワリを撒けば ヒマワリが咲くのだ
だからドクを吐けばドクが返ってくる
嫌を振りまけば嫌が降ってくる
そうやって世の帳尻は相応しく整うんだね
だからどうぞ
人サマのことなど痛痒を感じないほどに
そんな感謝の視座でありますよう
だからどうぞ
無分別の愛で花笑みに満たされますよう
きっとこんなふうに命を燈すうちに
一生はアッというまに終わってしまうんだ
でも それでいいんだよね
いま ボクはボク自身だけを生きてます
ボクはボク自身のことに取り組んでます
この燈がつづくかぎりに
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