この上もないヤサグレ
この大地ひとつで
たくさんの命が灯り
そして衰えていくのだけれど
その燈とは つまり
殺し合いの舞台だと思うんだ
ほかの命を殺めなければ
自分たちが生きていかれない
ようやく頂いた命
そのおこぼれは
亡骸となって大地へと垂れ
そのまた小さな命への糧となる
そうやって 十重二十重にも積もった亡骸
この偉大なるゆりかごに抱かれながら
また新しい命が今日も芽吹くのだ
余すことのない 命のめぐり
余すところのない 破壊と再生
ありったけの命の燈
この舞台で繰りひろげられる営みは
無駄つかいなどあるはずもない
ところが 人間ときたらどうだい
たくさんの命をムサボる蛮風
乱暴に喰い散らかすヤサグレ者
むやみに掻きムシった たくさんの燈
たべきれないからと投げすてる背徳
それなのに まだ欲しいんだ
必要よりも もっと欲しい
足らない 足らない 足らない
欲しい 欲しい 欲しい
いつの日にか
戒められるんだ
必ずだよ
ボクたちは きっと
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