梅酒のコーヒー
先日、所用で天王寺駅の北側、四天王寺の辺りへ出掛けた。
用件自体は時間の掛かるものではなく、お天気にも恵まれた日だったので春の空気を思いっきり堪能しようと四天王寺へ足を伸ばした。
聖徳太子によって建立されたことで有名なこのお寺はとても広く、境内の何とも言えない開放感と春のやわらかな光の心地よさ。池の亀ものんびり甲羅干しをしていて、ゆったりとした時間の流れが都会の喧噪を忘れさせてくれる。ほころぶ梅の花が空の青さでより際立って美しく。自分が俳人なら作句するのだろうが、残念ながら花より団子。こういった梅の木は観賞用だから実らないのだろうな、、と考えてしまう。
そういえば、浅草に梅を使ったアイスコーヒーを出す喫茶店があったな。
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そのお店は「梅ダッチコーヒー」という、水出しのアイスコーヒーと自家製の梅酒を一緒に提供していた。梅の実がちょこんと乗っている氷の入ったグラス。そこにアイスコーヒーを注ぎ、まずは水出しコーヒーの味を楽しむ。半分飲んだところで自家製の梅酒を入れて味変を楽しむ。そして最後に梅の実を頂くという作法らしい。
気になるお味は好みが別れるのだが、「アイリッシュコーヒー」はコーヒーとウイスキー、「カルーアミルク」はコーヒーリキュール、ワインとコーヒーのカクテル「カフェビーノ」など、実はアルコールとコーヒーの相性はよいのかもしれない。
このお店は2019年に閉店してしまったので、本家の梅ダッチコーヒーはもう味わえないのが残念だ。蒸し暑い夏にさっぱりと美味しそうなイメージがあるので、この夏、NINOVAL COFFEE(ニノーバルコーヒー)のアイスコーヒー【COOL】を水だしして、梅酒と一緒に頂いてみようと思う。
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この「梅ダッチコーヒー」は小説家の池波正太郎氏が紹介して一躍有名になったのだが、ここで繋がった。
彼の代表作「真田太平記」は真田家の面々や配下の忍者などの活躍を描いた長大な物語。そして、今、自分のいる場所は四天王寺。ここから徒歩10分の先に大阪夏の陣で真田幸村が討ち取られた安居神社がある。何か不思議な繋がりを感じたので、安居神社にも立ち寄って帰ろう。
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四天王寺へはNINOVAL COFFEE あべの本店から北へ徒歩20分。
安居神社の他にも大坂冬の陣・夏の陣で、豊臣家と徳川家による合戦の舞台となった茶臼山、冬の陣で家康の本陣がおかれた一心寺など、名所、旧跡がたくさんございます。歴史好きな方はもちろん、御朱印を頂きに神社仏閣を巡るのもよいですね。