創業から今の事業にたどり着くまでのストーリー
こんにちは!株式会社データック 代表取締役の二宮英樹です。
今回の記事では、創業の経緯とデータックがデータベース研究に辿り着くまでのお話をさせていただきます。
脊椎外科手術とPROシステム
2018年8月にデータックを創業しました。その当時、事業を行う上で考えていたことは患者さんの主観的指標であるPRO(Patient Reported Outcome)を活用するということです。
これは、私が元々関西で脳外科医をしていたことが原点となっています。関西では、脳外科医が脊柱管狭窄症やヘルニアといった脊椎疾患の手術をすることがあります。アルバイトで行ってる病院の患者さんを見ていると、手術がオーバー・インディケーションだなと思うことが多々ありました。脊椎外科は身体所見、MRIの画像所見、そして患者さんの痛みなど主観的な状態、いわゆるPROを加味し、アセスメントして手術適応を決めていくことが良いとされています。ただ、患者さんの痛みの感じ方は主観的で他者からは見えづらく評価しづらいです。また寝ているときの腰痛がつらい、長い距離を歩けない、腰痛が辛くて長い間座れないといったQOLや生活に関することも同様に評価しづらいです。そういった主観的指標やQOL、生活に関することは十分な評価がされずに治療が行われているのではないかと考えました。
そこで患者さん向け問診システムを通じてPROを取得できれば、治療が良くなっていくのではないかと考えました。
データが溜まっていくことで、良質な医学研究にも繋がります。このような経緯で、脊椎外科に特化した問診システム、OrthoExpertといったサービスを開発しました。
OrthoExpertの顧客対象は病院やアカデミアでした。しかしビジネスモデルを確立できず、事業としては苦戦しました。
医療データ解析受託
一方で創業当初からデータ解析の受託を続けていました。私たちが強みとしていたのは、自然言語処理(NLP)でした。顧客としては製薬企業、関連する医療データ企業、ヘルスケア企業です。
しかし受託ビジネスは案件や技術の幅が広いと属人性が強くなり、難しいです。案件ヒアリングから要件定義、新しいデータセットへの理解など、非常に高いスキルが要求されます。また、解析者の得意・不得意やスキル設定によって、受け入れる案件の種類が違います。そのため様々な案件を受託する中で、仕組み化やスケール化の将来像を描けませんでした。
疫学領域、データベース研究との出会い
医療データ解析受託を続ける中でご縁があり、疫学・データベース研究に出会いました。製薬企業の中では、マーケティング、開発、メディカルアフェアーズなど、様々な部署で医療データ解析が行われています。
その中で自分達の強みを生かして、かつ定常的に行われてる解析といえばデータベース研究受託/支援だと気づきました。データベース研究で行われることは、患者数を明らかにすることや、今行われてる治療を明らかにすること、簡単な二群を置いて比較すること、継続率を出すことです。機械学習やDeep Learningのような目新しさや派手さはありません。
一方で、データベース研究を通じて着実にエビデンスを積み重ねることは、確実に医学、そして人類に貢献しているという実感を得ることが出来ました。
またデータベース研究の領域には、データエンジニアリングを経験した観点から、透明性・再生性・効率性に課題があると考えています。
だから疫学という分野で自分達の強みを活かしていくことで、唯一無二のサービスを実現できると考えました。
データベース研究を開始し、約2年間かけて、PMFを達成しました。リアルワールドデータが向かっている未来、現在における課題とニーズ、そして自分たちの強みが重なっている状態になりました。あとは、やるだけです。今のデータックは、とてもおもしろいフェーズです。まだ小さな組織ですが、医学の知の創出を加速することを目指して、是非一緒に働きましょう。
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