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「大地の芸術祭」が思った以上に感慨深かった
新潟県の越後妻有で開催されている「大地の芸術祭」に、ツアーで初日(7/13)から行ってきました。
越後湯沢駅までは新幹線で向かいます。
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1泊2日のバスツアーに参加したので、添乗員さんがめちゃくちゃ説明してくれました。
越後妻有里山現代美術館 MonET
最初に向かったのは「越後妻有里山現代美術館 MonET」。入り口を潜り抜けると美しく光を反射する池が視界に広がります。
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レアンドロ・エルリッヒのPalimpsest(パリンプセスト)。橋があるので真ん中まで行くことができるし、プールの中に入ることもできるみたい。
調べたら金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」を制作したひとでした。
中央の池を囲むようにしてたくさんの作品が展示されています。顔が猫で体が龍のオブジェがぶら下がっていて、それをぼーっと見ていたら、たまたま居合わせた添乗員さんが「猫は不吉な動物、龍は幸運のシンボルとされている動物なのでそれを合わせているんですよ」と教えてくれました。
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「神獣の猫龍」という作品
現代美術館だけでも2時間以上いられるボリュームですが、たくさんのアートを巡るツアーなのでやや足早に作品を見ていきます。
こちらは無数の小さな時計をムクドリの群れのように配置したという現代アートチーム目[mé]のmovementsという作品。
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名和晃平さんと聞くと鹿のオブジェを思い浮かぶのですが、この美術館には黒いオイルの液体が多数の糸状となって天井から床に落下する「Force」という作品が展示されていました。
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ナカゴグリーンパーク
大きな公園のような場所にも作品がたくさん!
実際に乗って遊べるメリーゴーラウンドや寝転んでアートを見るテントがあったり。ここはお子さんがのびのびとたのしめそうな広場でした。
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(とりあえず寝てみた)
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オブジェなどの作品が、写真に収めきれないくらいにたくさんあります。
奴奈川キャンパス
2014年3月に閉校した小学校。正面玄関の壁や柱に描かれた絵と彫刻刀で彫った作品、「大地のおくりもの」から始まり、教室ごとにいろいろな作品が展示してありました。ここでランチも食べた記憶が。
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色のついた透明なガラスで光の屈折?をたのしむアート。ちびっ子に紛れて私も体験してみました。展示してある何かしらの道具をつかうって、何歳になってもちょっとワクワクするもんです。
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音楽室に出現したとてつもなく大きなオブジェ。関口光太郎さんの「除雪式奴奈川姫」。除雪車をヒントに創られているのが、いかにも豪雪地帯の作品だなあと思いました。床には新聞紙が敷き詰められていて、オブジェに触らなければ自由に動き回ってOKでした。
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木でできた銭湯みたいな部屋も。大人も子どもも木のお風呂に入って埋もれたり写真を撮ったりできる場所です。
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いきなり現れる作品たち
バスに乗っていると、添乗員さんから「ちょうど左手に作品が見えてきました」と説明を受けることが多々ありました。本当にいたるところにアート作品があります。
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いきなり現れるので急いで写真を撮っていると、説明を聞き逃し、どういう作品なのか分からないまま過ぎていきました(ちゃんと聞けばよかった)。
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「帰ってきた赤ふん少年」
ウクライナのアーティスト、ニキータ・カダンの「別の場所から来た物」。
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ダムに建てられた2つのオブジェ。ツアーに参加した人たちが自由気ままに作品のイメージを語って盛り上がっていました。
星峠の棚田
棚田の意味を全く知らなかったんですけど、山の斜面や谷間に、階段状に造られている田んぼのことを言うそう。越後妻有の里山には美しい棚田が至る所にあり、中でもこの場所から見る景色が有名みたいです。
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大河ドラマ「天地人」のオープニングにも使われたこの景観。写真でも充分きれいですが、肉眼で見るともっと美しかったです。
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まつだい「農舞台」フィールドミュージアム
メイン会場のひとつにもなっている「まつだい『農舞台』」。ここを取り囲むように屋外にもアートがたくさん。疲れて見に行けなかったのが悔やまれる…!
イリヤ&エミリアカバコフの「棚田」
伝統的な稲作の情景を詠んだテキストと、対岸の棚田に農作業をする人々の姿をかたどった彫刻を配置。農舞台内の展望台から見ると、詩と風景、彫刻作品が融合した形で現れる。
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テキストと彫刻の作品がちょうどいい感じで重なるところがあり、テキストを通して見る彫刻と棚田の景色が、壮大な物語を見ているようで素晴らしかったです。
カバコフは20年以上にわたり越後妻有の活動を支持してきたそうで、現代美術館でもカバコフの絵画や作品がたくさん展示されていました。
持ち主のいない廃棄となった自転車に命を吹き込むというテーマで作られた作品。階段の上の自転車を漕ぐと、後ろの自転車の群れが、観覧車のようにぐるぐると動き出します。
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友人に促されて私も漕ぎました。意外とたのしかったです。
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こちらの花のオブジェは見るからに草間彌生さんの作品ですよね。最初は村の人から、この場所に合わない!と反対されたそう。今では駅前のシンボルのような存在になり、愛されているようです。タイトルは後付けっぽいので割愛。
まつだい「農舞台」の施設内にもたくさん見所があり、部屋いっぱい黒板になっているところは10円でチョークを借りて落書きし放題。これもアート作品です。
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夕方から野外会場で「カバコフの夢の続き」と題したヒカシューというバンドのライブを鑑賞。最後は中毒性のある歌で幕を閉じました。
妻有アーカイブセンター
ここではパンとコーヒーが食べられるカフェがあり、喉が渇いていたので着いて真っ先に向かいました。
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あんまりいい写真じゃないけど、パンも笹団子もアイスコーヒーもすごく美味しかった…!
2階へ上がると体育館があり、芸術家、造形作家・川俣正さんの80年代の活動の記録を見ることができました。去年はご本人が製作しているところを目の当たりにすることもできたそう。個人的には見応えがあって印象に残りました。
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この日は大雨だったのでしっかり見ていなかったのですが、外観も川俣さんが制作したものだったみたいで…ちゃんと見たかった!
古民家の会場
中国ハウスという名の古民家の「五百筆」という作品。筆で描かれた絵が壁にびっしりと埋め尽くされていて圧巻でした。日本の古民家と中国の作家さんの作品が合わさる機会なんて滅多にないはずなので、なかなか面白い空間だったと思います。
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空き家となった古民家の内側の、ありとあらゆる箇所を彫って生まれ変わった家。この気が遠くなるような制作を、2年かけて完成させたそうです。
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中﨑透さんの「三二と休石」。現地にお住まいの人たちからのお話をもとにつくられたアート作品。この作家さんは別の美術展でも見たことがあったので、再会が嬉しかったです。見知らぬひとたちの見知らぬ土地での歴史を垣間見ることができます。当たり前のことが当たり前じゃなかったんだと、自分の価値観を変えるような出会いもありました。
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今年から展示された牛島智子さんの「つキかガみ巡ル月」。手前にある丸い骨組みと絵を組み合わせると鞠のようになるのかな?と思ったのですが、真相は謎。思ったより大きいので見応えがありました。
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牛島さんの作品が見れる古民家「うぶすなの家」では、1階で食事やお米などのお土産も買うことができます。
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全然ご飯の写真載せてなかったけど、なんてったって新潟はお米と山菜が美味しい!!
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ご飯も少しおかわりして、美味しく平らげました。
書いてまとめてみて思ったこと
20年も続いているという芸術祭。スタッフさんは現地にお住まいの方が多く、最初は住民の方達から芸術祭を猛反対されたそうなのですが、いざ始まると、孤独だった年配の方がスタッフとして働き、芸術祭に訪れた人々とのコミュニケーションを通して、新しい生きがいを見つける機会にもなったのだとか。
実際スタッフの方とたくさん話せるし、色々説明してくれるし、なんなら畑作業しているおばあちゃんとお話ししたり、現地にお住まいの方々はかなりフレンドリーでした。
こうして調べながら書いていたら、「大地の芸術祭」がどれだけの人が関わり、どれだけ意味のあるイベントなのかどんどん分かってきて、行ったときはただ楽しんだだけだったのですが、いまになって感慨深くなりました。地域の元気を取り戻すだけではなく、住んでいる人々の心の元気も取り戻すきっかけにもなっている壮大なプロジェクト。まだ足を運んでいないエリアもたくさんあるので、また訪れて作品や地域のひとと関わりたいと思いました。
大地の芸術祭は11/10まで開催中です。
リールもつくったのでどうぞ!
おまけ
越後湯沢駅で買える笹団子、やまと食品のこしあんとくるみみそあんがとっってもおいしかったのでおすすめです。
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