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3-1 デートが下手な人は、採用下手

【1次面接を自社に呼んで、給与・休日の話をするイタイ人にならない】

ここからは応用編です。

これまで事実を真実に置き換える物語についてのお話をしてきました。経営層と従業員を繋ぐクレドや方位磁石として機能するカタチを今度は社外=候補者に焦点を当て、面接での応用について記していきましょう。今回は医療を中心にお伝えしていきます。

応募から1次2次面接を経て内定を出し、実際に採用できた採用率は何%でしょうか?これは、内定辞退や選考落ちを含めた応募から採用までのコンバージョンレート=CVRです。また、離職率は何%でしょうか?採用CVRを上げる=誰でも採る=離職率が上がる。というループを防ぐために採用は慎重に。ニッチな業界である訪問看護という世界ではそもそも、現役看護師全体の3%未満に過ぎない非常にネガティブな印象の業界などは、厳しく見定めるよりも入社はさせて育成するような事もあります。

上記の数字の羅列は指標であり物差しです。これがすべてを語る訳ではないものの数字として進捗や成長性を示す1つのツールでしかありませんが、従業員数2000名規模の病院で優秀な結果を残している所では採用CVR60%、離職率15%未満といった数字が1つの指標となります

就職率400%前後を戦後唯一維持し続けている特殊な職業【看護師】は、常に採用難で国からの報酬で支払われる医療のシステムでは国の方針次第で抱えるべき看護師数が左右される事もあります。(7対1の看護等)ですが、基本的な看護師の定義は実に曖昧で「診療の補助」「療養上の世話」となり、評価をする人により優秀な看護師像は大きくブレてきます。故に、明確な評価指標もなく、採用募集での差別化として基本的には給与や休日・条件等でしか差別化を打ち出せていない現状です。

採用を目的としない面接/面接はデート・採用は結婚

この2点が候補者にとっても、採用CVR・離職率にとっても意義ある時間の投資に繋がります。

採用を目的としない面接=ファン化してもらう面接です。面接では、物語にしたクレドを語り。属性の壁を越えるための感情へ促す会話を創り。定義も評価も曖昧である対象者に対して、面接で候補者のアイデンティティーにこの会社で体験できる価値観を伝えるようにします。簡単に言えば、目の前の候補者を採用するために精一杯、給与等で訴えかけるよりも、その背後にいる看護師仲間にも貫通する=口コミで「面白いところだったよ!」という機会創出へ繋ぐ面接にしていくことが重要です。

これは、人材紹介採用1名に対して2名の推薦をもらう。という主題の目的・目標を実現させる為の行動です。その意義が、1人を確実にファンに変え口コミ・SNSで拡散し隠れた候補者に間接的にアプローチをする。ということです。猿蟹合戦のカニさんです。目の前のおにぎり<将来的な柿の木です。勿論すべてがこれで良い訳ではなく、バランスは状況に応じて臨機応変に変え目の前の候補者を確実に採用できる努力も必要です。どうバランスを取るかを差し引いても、面接ではまず候補者の感情を動かしファン化させる物語は想像以上に貫通力をもった大きな武器になります

面接はデート・採用は結婚。最近Wantedlyという採用マッチングサイトも同様のキャッチコピーを掲げています。1次2次と面接というデートを重ねて会社に恋をしてもらい、内定というプロポーズを満を持して行い、採用という結婚に繋ぎ、離婚や浮気をされないようにクレド=人間性を愛してもらう。就職した先では1日通勤等を踏まえで約10時間、人生の3分の1以上を共に過ごす中で血の繋がっていない他人同士が共通のベクトルを掲げ邁進する。社会的な結婚が就職であるわけです

はじめてのデートが自宅で、年収や役職・車を魅力的だと語られ且つ。自身の家事全般のスキルを詮索され優秀なパートナーとして結婚できるかを判断される。そんなデートで2回目あなたは相手と会いたいでしょうか?私は2度目逢う事はないでしょう。良くてキープといったところでしょうか。他の出逢いを探します。

これを面接に当てはめるとどうでしょう。はじめての面接が本社で、給与や役職・条件を魅力的だと語られ且つ。自身の看護スキルを詮索され優秀な即戦力としては採用できるかを判断される

効率というのはルーティンが円滑にすすむことです。はじめてのデート/面接をつまずいて効率化・採用CVR向上・離職率減などというのは成し得ません。どれだけプラスの要素があれど、数学では1つマイナスを掛け算するとすべての解がマイナスとなります。言い過ぎかもしれませんが、あのDisneyでも【安全性・礼儀・SHOW・効率】の順番で優先順位が掲げられています。つまり効率とは全体最適化の末にたどり着く良き循環であり、最初から最短・最速で行動をする事ではありません

では、どういったデート/面接が最終的に会社の利益に繋がる良き循環/効率を生むのか?

物語で事実を属性の壁を越え、真実としてアイデンティティーに浸透させること。選ばれた<自分で選んだ。という選択肢を用意する事。初心表明をデート/面接で相手から抽出し原点回帰ポイントを創る事で、後の離婚危機に「あの時のあなたの初心を忘れていないか?」と諭す事も。離婚の危機を迎えた夫婦が、想い出のデートの場所であの時の言葉でもう1度記憶を呼び戻す。それと一緒です

結婚生活同様、様々な事象/事実が突発的に襲い掛かり万能薬は存在しません。ですが、相手を思いやる気持ち性別/属性を越える会話という物語には科学や数字では証明できない【愛】みたいなものが実は1番の薬かもしれません。企業愛・従業員愛を表現するお手伝いをお節介にする私も、日々学び・見習い・取り入れ・踏み出し主観で判断しすぎない相互通行を促してくれる良き友に感謝しなければなりませんね。

貴社に愛情表現やデートのアドバイスを促す良きパートナーとしてこの物語をお送りできれば幸いです。末永くお幸せに。