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人が辞めていく医療の現場

クリニックや病院で、貢献性の高いVisionを掲げて自分の心もカラダも時間も削り邁進されている方は多い。
たかだか数分の為に、1時間近く待たせれる患者もその数分間に込める医師や看護師をはじめとしたスタッフの【想い】があってこそだと常々感じる。

その貢献性が高い現場であるほど、何故か願わずも比例しているのがスタッフの離職率だ。

退職理由は世間一般の
給与への不満。人間関係。ステップアップ
など
しかし他職種より比較的、収入面では優位で且つ多かれ少なかれ貢献という想いを持った人が集い、様々な資格と併用することでベース給をあげるなどできる現場で人が満足できないのか。

シンプルに言えば
【自分の考え方のクセや特徴を見直す機会がない】
これに尽きる。

ただでさえ閉鎖的な医療界で、決まった人間関係・価値観・ルーティンの中で能動的に自分を垣間見る機会はほぼない。
そんな時間があるなら、寝るか趣味でガス抜きするかだ。

また貢献性の高い仕事ほど、表層的な部分での感謝や繋がりは苦手でないものの、資格という鎧を脱いだ先の深層的な部分の関わりが苦手な人が圧倒的に多い。
職業柄、個人の感情を前に出しすぎる弊害が昨今の医療系のドラマなどでも言わずもがな。ある程度の距離感やバランス感覚こそ長く命と向かい合う職業における【コツ】なのかもしれない。

つまり、現場で資格という鎧を着たまま自分の深層部の【本音】と距離を置き一番身近で繋がりを持つべき【スタッフ同士】に決定的な距離感が生まれやすい状態が蔓延しているということ。
もちろん中にはプライベートでも、気の合う仲間に出会えることも少なくない。
しかし組織形成を数多みてきた中で【周囲への感謝】が欠落し、生かされ生きる=【お陰様で】という本質を忘却ないし、鎧の奥底へしまい込み鎧特有の冷たさや攻撃性。それ自体が自分の自然体だと、本音との乖離や忘却を習慣化して、本来あるべきコミュニケーションがなされていないのです。

これを解消する為には、経営層の意識の修正・改善を起点とした【改善ではなく意識改革】を行う必要があり、まさにOPEが必須。
規模や状態によっては投薬やある程度のスパンでリハビリをして対応できる場合もあるが、極々稀。

病気と一緒で、自覚症状が出る頃。
スタッフの大量離職、離職率の右肩上がりなど
結果として、病床数が埋められない。診察数を制限するなどの理由で経営自体を圧迫しかねない。その際たる理由こそ、当たり前。本能的に見直す機会や術がない、人とヒトとの繋がり方なのです。

そして対処をしながら上流過程で【予防】を行う必要こそ、採用部分だということ。つまり
・採用するペルソナの洗い出し=水源の見直し
・採用数までのCVRを上げる=水量の調整
・面接をOJT化させる=水質を向上させる

ここまでの入口部分だけでは離職率は一時的な改善のみで対処でしかなく
・離職率の原因を改善=水漏れ修正
・自立した組織への仕組み化=パーツ補強
・適宜面談でガス抜き=水流の確保

など、一気通貫で順序立てて行う必要がある
ただ病院内の採用をお願いしたい。という依頼でも上流から対処としての紹介業以外にも、寛解に向けた取り組みを行うなら抜本的な意識改革や専門的な第三者からの介入が重要だということ。

それを理解している
ビジネスは人だという原則を見失っていない
中核病院やクリニックの院長・理事長が、どのくらい残っているか。その今や希少価値すら付く、想いのある人を輝かせる研磨剤として間接的にでも医療の現場を救えるなら、それがいい。