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【トレラン】トレイルランニングのはじめ方

春。山は雪解け、フルマラソンシーズンも終わり、いよいよトレイルランニングをしたいと思う時期です。
初めてトレイルランニングをする方はランニングではなく登山である認識が必要です。
トレイルランニングのはじめ方について書いてみます。

トレイルランニングのルールとマナー

登山者に嫌われることの多かったトレイルランニングですが、最近はマナー向上の啓蒙により改善はされてきているのでしょうか。私自身は登山者の方とすれ違うときに応援してくれたり好意的に接してくれる場合が多いです。

しかし、毎年7月に開催される富士登山競走や富士登山駅伝に参加するランナーはトレイルランナーではなくトラック競技やフルマラソンの延長で参加される方も多く、マナーを知らないのか富士山に試走に来て独りよがりな危険な登山をする方もいます。

転落したら死にます。他人を転落させたり、落石させて下にいる登山者を危険に晒すかも知れません。

走り出す前にマナーを踏まえて安全にトレイルランニングを楽しめるようにしておきましょう。

ただ登山者でもルールやマナーが曖昧だったりします。例えば登山は基本的に登り優先です。下山側が止まる方が安全だからです。止まる方は山側に寄って止まり、歩く方は谷側を歩きます。
しかし、下りが止まる方が安全ではない場合があります。臨機応変が重要で、登り優先だからと強引に登ろうとすると危険な場合もあるのです。
結局はお互い安全に配慮し譲り合いの精神が大事ですし、ルールやマナーを知らない人や疲労で余裕のない人も居るかも知れないとイライラせずゆとりを持って行動しましょう。

なお自然に敬意とありますが、合わせて魅力的なトレイルを長く楽しんでもらうために登山道の整備をしてくれる人がいるということにも感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。

初めては緊張すると思いますので、実際のイメージを確認してみましょう。はじめはしっかりとした経験豊富なトレイルランナーにアテンドしてもらったりスポーツ店やメーカーさんが企画する初心者向けの講習会に参加しても良いと思います。

自然保護にも注意が必要です。
皆さんはランニング後にシューズやザックを洗ったりしていますか?
植物の種子など外来種を持ち込まないように洗ったシューズで走る。種子を他の場所に持ち出さないように走り終わったら洗うこが大事です。
高尾山の登山口や富士山の登山口にも泥落としのマットや高尾山や富士山の御殿場登山道、金時山では水洗い場もあります。
また、トレイルランニングのレースでは綺麗なシューズでないと参加できないもの、レース中に洗う必要があるものもあります。


トレイルランニング装備

トレイルランニングの大会にもよく出店される石井スポーツさんのサイトに全て纏まっているので参照してください。

シューズはロード用以上にフィット感が重要なのでお店で試し履きは必要です。
次にアウトソールのグリップです。初心者は特に下りなどで滑るとトレイルランへの恐怖心が植え付けられてしまいますし、疲れるし怪我の元でもあります。まずラグが深いビブラム(様々なメーカーシューズ)かアシックスグリップ(アシックス)、コンチネンタルラバー(アディダス)、SurfaceCTRL(ザノースフェイス)のいずれかが良いでしょう。

山は標高が高い為、気温が低く風が吹くと体感温度は一層低くなります。また雨雲が出来やすく雨になることもあります。

防寒やレインウェアの考慮が足りない方が多い印象です。
3レイヤーシステムと言いますが、汗を肌に戻さず汗冷えを防ぐベースレイヤー、断熱のミッドレイヤー、防寒のアウトレイヤーと揃えましょう。
またレインウェアはシームテープが付いているもの、透湿性が高く防寒と汗を発散できる機能が求められ、しっかりした機能があればアウトレイヤーと兼ねても良いでしょう。

ファーストエイドキットも装備しない方が多いです。
自分が遭難したときもそうですし、遭難者に遭遇したときも考慮した装備が最低限必要です。

トレイルランニングのレースでは必携品としてスタートからゴールまで所持する装備が決められています。
なぜ必携品があるのか、その重要性を認識せずレースに来る方がいます。
不携帯は容赦なく失格処分になります。

なおレースで所持する装備です。トレーニングの段階から重たい荷物を持って走らなければ本番で走れるわけがありません。毎回、山に行くときは横着せず安全第一です。

体力が思っている以上に必要

トレイルランニングの経験のない方は、山を40km走るとなると、フルマラソンを思い浮かべるかも知れません。
しかし、山は不整地であることもありますが、垂直方向の距離の考慮が必要です。

山を垂直方向に登った距離の合計を獲得標高と言いますが、この距離がコースの難易度に繋がります。

例えば、40kmの距離で獲得標高が2000mの山を走る場合、およそ60kmの距離を走るのと同じ時間を要します。しかも数キロの荷物を背負ってです。
経験によってタイムは前後しますが概ねそれくらいの体力が必要ということです。

自分にあったトレイルランニングコースかどうかは「距離+獲得標高×10」の距離をどれくらいで自分は余裕を持って走れるかを目安にしましょう。

更に登山計画を立てるときに登山地図から傾斜、鎖場などの情報やルートタイムを見てどれくらいで走れるか、休憩はどこでどれだけするかなど検討し全体のコースタイムの詳細を決めます。

また、獲得標高ではなく一つの山の標高も考慮が必要です。2000mは高地になり、高山病の危険もありますし体のパフォーマンスも標高が上がる度に数%低下します。1500mは準高地ですが、弱い人は準高地でも高山病になります。
標高が上がると気温も下がり気象状況も変わり体力の消耗が増します。

そして、舗装路を走る以上に安全とマナーに気を遣わなければなりません。
走るスピードが速くなると認知機能が低下します。疲労困憊になると判断力も低下します。

体力のある内に引き返す、もしくはエスケープすることも考えながら進む必要があります。
例え仲間と走っていたとしても遠慮なく引き返したいと伝えなければなりません。

マラソンのように全力で頑張るという計画は立てられませんので留意しましょう。

計画を立てる

山は普通のランニングと異なりちょっと走りに行こうと出掛ける訳にはいきませんし、街ブラのようにこの道はどこへ繋がってるんだろうと脇道にされたら遭難します。

しっかりと行動計画を立てて必要な装備を準備する必要があります。そして、何かあったとき用にトレイルランニングに出掛ける前に行動計画を地元の警察に届け出をし家族に伝えおくことも必要です。

行動計画は各山の登山口にポストがあり投函する方法もありますし、ヤマケイ、YAMAPやヤマレコなど有料の登山アプリにて計画から届出までを電子データで行う方法もあります。
自治体や警察署には届出するWEBの窓口を設けていたりします。

登山地図を本屋で購入してルートをあれこれ考えるのも仲間や家族と共有しやすいし楽しいですが、私の場合は50kmあたり走るのでアプリを使わないと困難です。

私はヤマレコをメインに使っています。
らくルートという登山ルートのポイントをタップするだけでルート作成ができるのが便利で使っていますが、ルートによってはその経路が登録されていない場合があるので他のアプリなど必要に応じて使い分けます。

私は、近場のハイキングコースなどしかほとんど行かないのでヤマレコなどの無料利用枠の範囲で行動計画を作成し、家族に共有しておき、必要に応じて目的の山のある自治体や警察署に届出をしています。
ヤマレコの無料枠のデータから警察署のWEB窓口に転記するのに少し労力が必要ですが山行の数が少ないのでなんとかなりますが、色々とストレスなので有料会員の方が良いと思います。


また、遭難する前に体力のあるうちに下山が重要です。計画書にも記載を求められますが、引き返す判断基準やエスケープルートの確保をしましょう。
当たり前ですが、引き返す、エスケープして帰宅できる状況でなければなりません。
交通手段を含めて考慮が必要であることを認識しましょう。

それでも遭難してしまった場合、夏の登山期の富士山などではスマホの電波が届きやすいようにしてくれていますのでスマホの緊急通報機能でも良いかも知れませんが、一般登山道を外れるなど様々な状況を考慮してココヘリなどは持っておくと安心かも知れません。

計画に合わせて最適な山岳保険にも加入しておきましょう。


初心者向けコース

魅力的なトレイルランニングコースについてプロトレイルランナーの鏑木毅さんのオススメコースをまとめた書籍「全国トレランコースガイド」(エイ出版社)などもあるのでコースガイド本から自分のレベルにあったルートを探して計画するのも良いでしょう。

初心者向けトレイルと言えば関東だと一番有名な高尾山でしょう。
登りは1号路で下りは稲荷山コース、登り1号路から4号路に入るパターンが一般的でしょう。
観光客が多いので、6号路で登るのも少しキツめですが良いかと思います。
慣れてきたら景信山まで足を伸ばす感じです。
陣場山まで行けるようになれば中級者です。

横浜では、鎌倉トレイルになりますが、ビートルズトレイル(初めて聞いた)が超初心者向けです。私もこのトレイルを何回も走ってトレイルの走り方を勉強しました。
下のリンクでは天園トレイル入って瑞泉寺に下山していますが、建長寺に下山すると拝観料が必要になるので小銭の準備をしましょう。

わたしが現在活動している静岡県東部地区での初心者向けトレイルと言えば伊豆稜線歩道になります。
船原峠から達磨山高原までが良いでしょう。

伊豆稜線歩道は開けているので富士山、駿河湾と綺麗で雄大な景色の中で走れる特徴ですが「夕陽日本一宣言」をした西伊豆の夕陽をトレイルから見るのも良いです。
修善寺のITJ BASEに宿泊するとトレイルヘッドへの送迎をしてくれますので相談してみても良いでしょう。


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