日記

最近、価値観を波のように柔軟に変えていきたいという思いが強まってきた。しかし、言葉の世界に浸りすぎる自分に気づくたび、現実をそのまま感じ取る時間も必要だと感じるものの、なかなかそれが難しい。どうしても、頭の中にあふれる言葉の流れに引きずり込まれ、そこに囚われてしまう。そして、行き過ぎた言葉の思考に囚われると、すべてを言葉で切り分け、整理し、理解しようとする自分に気づく。もちろん、現実はそんなに単純ではないことは理解しているが、言葉で物事を考える癖が根深く、抜け切らないのだ。

言葉自体が悪いわけではない。しかし、行き過ぎた言語的なアプローチは、時に対立を生み出すことがある。言葉は切り分け、分類し、二項対立的な思考を生む傾向が強いからだ。けれども、現実はもっと複雑で、多層的で、混沌としている。そのため、本当の意味で柔軟な価値観を持つためには、言葉を越えた領域に意識を向け、物や現象そのものと向き合う時間が必要なのかもしれない。言葉で世界を捉えることだけではなく、言葉の枠外にある感覚や直感をも大切にすることが、より豊かな人生を築く鍵なのだろう。

この点において、映画「男はつらいよ」の主人公である寅さんは、まさに波のような頭を持つ象徴的な存在かもしれない。寅さんはその日その日で異なることを言ったり、状況によって考えが揺らいだりするが、そういった柔軟さこそが人間らしさの本質だと感じる。しょせん、価値観とは自分の置かれた状況や経験に大きく左右され、固定されたものではない。だからこそ、昨日と今日で意見が変わることがあっても、それは自然なことだし、むしろそうした変化を許容することこそが健全だといえるだろう。

価値観を無理に固定しようとすれば、自分自身がその制約の中で苦しくなり、息苦しい世界に閉じ込められてしまう。伝統や過去の価値観を大切にすることは確かに重要だが、それをあまりに重視しすぎて新しい視点や価値観を排除してしまえば、成長の可能性が狭まってしまうだろう。私たちは、時に革新的な価値観を補給し、新しい風を取り入れなければならない。そうした新旧の価値観の融合によってこそ、豊かでよりよい未来が開けるのかもしれない。

価値観は流動的であり、固定されたものではない。人生を生きていく中で、その時々の状況や経験によって価値観は常に変化していく。変わり続けることを受け入れ、波のように柔軟に対応することが、人間らしい生き方なのだろう。それを拒むことなく、むしろ楽しみながら変化を迎えることが、真の意味で豊かな人生を歩むための鍵なのかもしれない。

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