日記 2024.2.5(月) 朝から電話/三年番茶/クッキーを焼く/雪を楽しむ
しっとり暗い月曜日。雪は夕方からのようだ。
元住人が風邪をひいているらしい。ちょっと心配して電話してみる。今日は寒いけれど仕事に行くというので帰りに寄ったらと伝えてみるが、うつしに行くようなものだからやめておくと断った。お肉が大好きな彼だけれど、お肉や卵だとかえって風邪が長引く場合があるらしいので症状をきいてのどには大根と油揚げ、またはねぎ入り味噌の熱い雑炊がいいみたいと伝えてみる。確かに味噌汁に生姜たっぷりで食べた時は調子が良くなったらしい。マヌカハニーののど飴も買って食べているらしかった。電波が途切れて電話は終わった。
すかさずお母さんから着信。めずらしいと思いながら電話に出ると、おいしい焼き芋に出会ってしまったのだとしゃべり出す。同じ町内なのだがまったく行ったことのない場所だった。すでに何人か友だちを連れて行ったとのこと。よく来てくれるからとサービスまでしてもらったと喜んで話し続ける母。焼き芋の話だけでよくこんなに広がるもんだと感心するほどしゃべるしゃべる。珍しく今日はわたしも結構しゃべりたいことがあったので時々かぶせ気味に発言権を取り合いながらしゃべりまくった。
昨日は弟夫婦が子どもの名前の候補を報告しに来たらしい。聞いたことない名前でいいねということになったということだった。お母さんが、わたしと弟の名前はお父さんが本を買ってきて決めたと言っていた。お母さんはいっさい関与していないらしいのが面白い。名前は父親からのプレゼントだとも言っていたらしいけどそうやって本に書いてあったのだろうか。お父さんから出てくる言葉には思えなかった。あと2ヶ月したら会える小さなお友だちに家族総出で心を躍らせている。
はちみつの本を読んでいるのでその本の話をしていたらお母さんは行ってみたかった養蜂場が隣町にあるらしく昼から行ってみようとそわそわし出した。楽しいことにはすぐに飛びつきたい母がすごい。気に入ればまた誰かを誘って何度も通うことになるだろう。
電話でしゃべりながらお昼ご飯の支度をする。元住人に雑炊の話をしていたらわたしが食べたくなってきた。大根おろしとねぎ、切り昆布とかつお節に味噌を入れた雑炊を作る。昨日買ってきた三年番茶も淹れてみる。お昼ご飯にしようとお母さんと電話を切った。
三年番茶は紅茶のような濃い茶色いお茶。そば屋さんやごはん屋さんで何度も飲んだことのあるお茶の味だった。独特の発酵したような香りが心地よい。煎茶や麦茶は好きで買ってよく飲んで来たけれど、番茶を意識して飲んだことはなかった。実家でもそんなに出てきた気がしない。それなのに不思議と懐かしく、いつまでも何杯でも飲めるような飽きのこない味わいだ。
三年番茶とは、天日干しをして3年の熟成期間を経たお茶のことらしい。熟成させることでカフェイン、タンニンが抜けて旨みが増しカラダを温めるお茶になるのだそう。刺激が少ないので寝る前に飲んだり空腹時にもいいようだ。本当に一日中飲んでいられそうなお茶。これから梅番茶、塩番茶、しょうゆ番茶と色々と試してみたい。
雑炊にもすこし番茶を淹れてみる。茶粥はほうじ茶だけれど番茶でも美味しそう。番茶で雑炊、今度やってみよう。
窓の外は雪が降り始めたいた。お昼ご飯を食べると本の続きが読みたくて、部屋に毛布と布団を敷いてヒーターをつけて寝転がってみた。あったかくて気持ちがいい。台所の床だと流石に今日は寒そうだ。
部屋に設置した特設会場でハチミツの本を読み進める。とにかく面白い。本をじっくり読むには椅子とクッションくらいはあってもいいかもしれない。クッションは余り布で作ってみようかな。
途中からうとうとしてきて1時間眠る。起きて外が気になって見てみるとすっかり雪景色。きれいだった。あとで外に出てみよう。
穀物コーヒーを淹れて台所でぽりぽりとおやつタイム。ここでも読書は止まらない。吸収したい、試したいことがあふれ出しそうになって落ち着けるために手を動かすことにした。オートミールクッキーを作る。前回オイルを入れずに作ったらかなり硬く仕上がった。オイルを入れないとこんな食感なのかとよく分かる。今日はオートミールにちょっぴり残っていたココアパウダー、ココナッツファイン、ハトムギ粉、黒ごま、きなこ、豆乳、アガベシロップ、それからおそらく完成した塩麹を入れて生地をまとめてみた。分量はすべて適当。塩麹と甘さだけは味見して調節しながら入れてみた。前回失敗したクッキーはインスタで見かけたレシピを元に計量しながら作ったのだが、クッキーを自分好みに作りたいのであればなんとなくの感覚で作って味見してまとめた方がうまく行くような気がした。その方が残ったものを入れたり味も調節しやすい。クッキーは本当に自由度が高くて奥が深くて面白い。今日はサクッと仕上げたくてオイルを多めに入れてみた。
夕飯は千切りにんじんにキムチ、温めた豆腐と蒸したじゃがいも、納豆とご飯を食べる。今日は外へ出て動いていないのでそんなにお腹もぺこぺこにはならなかった。夕飯を食べながら魚焼きグリルでクッキーを焼く。サランラップで生地を挟んで伸ばしてすこし形をつけておくと焼いたあとにきれいに割れる。くっきり形をつけすぎてグリルに入れる時にぼろっと割れてしまったけれどまあいいか。火が通ってなくても食べられるのでほんのり色づいたところで火を止めた。あつあつで食べても美味しい。ものすごくうまくいったようだ。おやつは作るに限る。
麹たちとぬか床をかき混ぜる。台所がにぎやかですることが多い。
雪を見に外へ出る。階段にももうたっぷりと雪が積もっていた。ふと、むかし朝一で仕事に出かける時に階段に雪がこんもり積もっていて降りるのがこわかったのを思い出す。夜の間もまだまだ積もりそうなので一度雪かきをしておこう、なんとなくそう思った。手袋をして大家さんの箒を借りて階段の雪をはらっていく。実家で雪が積もっても雪かきはしたことがなかったなと思う。朝一番にじいちゃんやお父さんが雪をどかしてくれていたあとを歩いたことしかないのだな。雪は意外と重くはらうのはけっこう重労働だったけれどちょっと楽しい。箒しかなかったのでできる限り階段にある雪をはらって終わりにした。
水分の多い雪で頭はびしょっとぬれていたのでそのままお風呂へ入る。いい運動になった。明日の朝どれくらい積もるだろうか。雪の日の外の景色はため息がでるほど美しい。朝早起きできたら散歩にでも出かけてみたい。それにしても寒いから、今夜は湯たんぽを仕込んでクマたちとひとかたまりになって寝よう。