社交ダンス、フェザーステップの踊り方(前半)「福頼氏のブログ」から
前半では、フェザーステップの問題点は男性の左足2歩目が左に流れてしまっている。その原因は日本式歩行法にあると言う。また改善方法は英国式に直す、また足を「時計方向」や「半時計方向」に捩じりその反動でCBMをつくる、と言ってます。
でも他の項目でも書きましたが私はそれがどうも上手くいきません。それに中高年になってから「捩じる」動作は膝の怪我につながるのではないかと危惧してやりません。若い人は試す価値があるかも知れません。私は、むしろ、「ケンさんのブログ」の肩甲骨周りの動かし方で「上体が下肢の動きをつくる」方法を取ります。
後半は「女性の動きかた」です。長文なので半分にしました。女性もサイド・リードになる必要がありますが、甘くどっちかというと「サイド・リード」と「正対の」間ぐらいの中途半端な形が多い。極端なのは、ホールドを固めて崩したくないからか、右アームがピーンと横に張って男性の左アームがサイド・リードで伸ばせないように頑張っている女性もいます。
スローフォックストロットは名前が長いので簡単に「スロー」と言います。
私自身、スローは苦手な種目でしたのであまり関心はありませんでした。福頼氏の記事を読むとこれまた「日本式社交ダンス」の弊害が出ているという訳で、それでは私の場合はどうなのか、と検証しているところなのです。
日本人ダンサーが最も苦手としているスローの踊りの問題点は、3歩のステップなのに4拍あるということ。それも最初のステップから2拍ある。これがルンバのように終わりに<4・1>ならちょっと休止すればいい。実際には体は<1>を踊るのですが。
でもスローは最初からこの2拍が来るので、どうしても2拍取った後に踊りが続く、という点がなお難しくなるポイントだと思う。この2拍をどうやって取るか。
人により足の裏でカカトからつま先までで2拍取る。或いは踊りの最中に体にポーズさせて2拍を取る。或いは大きくステップして歩幅があるので遠くに足を運ぶ必要があるので、時間的に2拍が自動的に取れるという方法。いろいろな形で皆さん2拍を取っています。
以上いろいろな2拍の取り方がありますが、福頼氏はこんな入り口で悩んでいる件ではなく、根本的にフェザー・ステップの踊り方についてどうして第二歩目が左に行ってしまうのか。
それは日本風なダンスをしているからだ、と指摘しています。だから「大河のように」流れない、という訳です。
ワルツのナチュラル・ターンではどうして3歩目が閉じること出来ないか、これは私自身もそういう例を見ていますが、フェザー・ステップの左足が真っすぐステップ出来ていないなんて初耳でした。
また、フェザーステップは「中央斜め」だけから始めるとばかりに思っていましたが、「LODに面して」「壁斜めに面して」の3か所からも可です。
ここから引用です。
足型1番フェザー・ステップ
誰もが フェザー・ステップ から踊り始めます。
しかし、大河のごとく流れるはずの フォックストロット が、
第一歩をステップしても流れません。
さらに、多数の男子が第二歩で左にそれて、流れの方向まで壊しています。
音楽が四拍子で、第一歩のカウントは「S」ですから、
二拍を使って「スローオー」 の感覚で動き、更に流れ続けるべきところを、
「スロッ」 のような一拍に近い感じの動きだけで、滞って流れません。
第一歩の右足前進をステップして、
その方向に流れ進むかと見えたとたんに流れを壊し、
左にそれて第二歩をステップしているのです。
後退で踊り始めた女子はそのまま真っすぐに後退を続けるでしょうから、
流れを壊すのが前進する男子であることは明らかです。
男子と女子が前進と後退を入れ替わった バック・フェザー を踊ると、
多くの女子が同じように左にそれて流れを壊します。
『美しい フェザー が美しい フォックストロット を作る。』 ビル・アービン
大多数の足型の終わりの部分が、フェザー・ステップと同じ形になっています。
男子が右足を スロー の カウントで後退 (女子は左足前進) し、
左回転してフェザー・ステップの第 2-4 歩に続けるものを 「フェザー・フィニッシュ」 と呼び、
PP から前進して フェザー・ステップ に続ける場合には 「フェザー・エンディング」 と呼んでいます。
技術書ではフェザー・ステップを次のように示してあります。
足型1番 フエザー・ステップ (SQQS)
男子:
<1.右足LODに面して前進、 CBM、1の終わりでライズ、フットワークHT、スウェー直>
<2.左足LODに面して左サイド・リーディングでOPの用意をして前進、アップ、フットワークT、スウェー右>
OP は アウトサイド・パートナー。 パートナーの外側へ。
<3.右足LODに面してOPで CBMPに前進アップ、3の終わりでロァー、
フットワークTH、スウェー右>
<4.左足LODに面して前進、CBM、フットワークH、スウェー直>[タイミング (日本ではカウントと言う):SQQS]
<註) フェザー・ステップは 壁斜め 又は 中央斜めにも 踊ることができる。>
女子:
<1.左足LODに背面して後退、CBM、1の終わりでライズ、 NFR、フットワークTH、スウェー直>
<2.右足LODに背面して右サイド・リーディングで後退、アップ、NFR、
フットワークTH、スウェー左>
<3.左足LODに背面してCBMPに後退、アップ、NFR、3の終わりでロァー、
フットワークTH、スウェー左>
<4.右足LODに背面して後退、CBM、フットワークT、スウェー直>
<註) 前方の足を支え足の方へ引き寄せ始める時、その前足のトーを
フロアーから離す事は重要な事である。>
*女子の外側に進む用意ができない
部分的な変化は無視してごく大まかに全体的な流れだけを見たら、
LODの方向へ男子は前進するだけ、女子は後退するだけです。
前進する人が流を壊し、第二歩の左足を横にそれてステップするのですから、それは、第二歩に示されてある
「LODに面して左サイド・リーディングでOPの用意をして前進」
ができないということです。
左サイド・リーディングでOPの用意ができなかったら、
第三歩の右足をステップしようにも、
相手が邪魔になって外側にステップすることができません。
だから、
第二歩の左足を真っすぐ進めず左によけて、
第三歩の右足が通る道をあけておくという踊り方を工夫しているわけです。
この問題の原因は、
日本人の普通の歩き方とボールルームダンスのウォークとが、
根本的に異なっているところにあります。
日本人の普通の歩き方のように第一歩の右足を広げて前に置き、
その足にのしかかるように体を乗せたのでは、
OPの用意に必要な左サイド・リーディングをしようにも、
左サイドを前に出すことができません。
*左サイド・リーディングというOPの用意ができていないから、
第三歩をOPで前に進めることができないのです。
左サイド・リーディングができていたら、流れに乗って素直に体を前進させるだけで右足はごく自然に振れて前に進み、相手の外側にステップする結果となっています。
日本人の普通の歩き方のままでは
大河の流れのような動き (ムーブメント) を作ることができませんから、
そのことに気がつかないで、昔から 「スローは難しい」 と言って過ごしてきました。
歩き方の違いに気がついてダンスのウォークを学び、
そのウォークがスイングに発展するまで根気よく練習したら、
ごく自然にフォックストロットの世界に入っていけるのだと、
私は確信しています。
日本人に初めて英国式社交ダンスの手ほどきをしてくれた大恩人、
レン・スクリブナーは、彼の著書 THE COMPLETE BALLROOM DANCER の中で次のように述べています。
『前方や後方へ正しクウォークすることはボールルームダンスの基礎である。その中には体重の正しい配分と脚部の進め方が含まれ、更に足先、足首、の用法が必要となる。
従って、ウォークをマスターした生徒は、少し練習すれば
ボールルームの全フィガーを手中にできると言っても過言ではない、』
* フェザー・ステップの第一歩は、CBM を伴った 右足前進のウォークです。
支え足の左足が体を前方に送り出す時には、
体を持ち上げておく力と床を後ろに押す力に加えて、左の腰が前に出るように腰を右に向ける (CBM) 力を使います。
体重を支えている左足のボールで、床を反時計回りにねじるようにすると、
腰が右に向きます。
体をねじってはいけません。
胴体 (ボディー) の左右の腰と左右の肩をつないだ長方形の形を
一枚の鉄板のように壊さずに運ぶことが、ボールルームダンスの大原則です。
第一歩の終わりで、本物のトーでライズすることが重要です。
動き始めた体は少しずつ右に向きを変えながら前進しますので、
前に広げた右足が床に着く時には、
ごくわずかではありますが動き始めた時の方向から右にそれています。
この右足に 「床を引き寄せる力」 をかけて後ろにあった体を引き寄せ、
踵で受け取った体重が拇指球まで進んできた時に、
股関節が曲がらないように注意し、
「膝を前にほうりこむようにして踵を浮かせる」 と、体重がボールに乗ります。
ボールに体重を乗せたまま
「足首と膝を伸ばし踵を高く上げてライズ」 したら、体重を支える場所がトーに変わります。
* 日本では、ボールをトーだと誤解しているケースがとても多いのです。
ダンス体操一番を練習して、 本物のトーを使うことができるようにしてください。
* トーに反時計回りのねじる力をかけたら、 左サイド・リーディングとなります。
体が壁斜めに向くくらいまで左体側 (サイド) が右体側よりも前に (リーディング) 出ます。
重力に支配された空間にあって、
ボディー(胴体)の形を変えずに移動したり回転したりするためには、
足の裏に何らかの力をかけることが必要なのです。
日本式の踊りを身につけた人には、
この、足の力によって作り出される体の動きだけに目を奪われ、
「ボディーの形を壊さずに運ぶ」 という ボールルームダンス の大原則に反して
「ボディー で何らかの操作をしようとする間違い」 がとても多いようです。
サイド・リーディングやCBMを実現するためには極めて重要なフットワーク
であるにもかかわらず、これまではほとんど意識されてこなかったと思われます。
* 左サイドリーディングのボディーをトーで支えている右の脚で、
水泳のクロールで水を掻くのと同様に床を後方に掻き抜くと、
ボディーが前方の空間に放り上げられるようにスイングします。
左足は体の下に吊り下げるように保ち、トーで軽く床をさすっておくことが重要です。
* 第二歩左足
体が少し右に向いていますから、左足の向きも体の向きと一致して少し右に向いて着床します。
左サイド・リーディングで右にスウェーしたボディーを受け取ってスイングを続けます。
第一歩でライズしていますから、体重はトーで受け取ります。
スイングの結果、
脚を大きく開いた第二歩の左足に乗り切って右足が揃った時点で体は最高点に達し、
この後は下降して行きます。
* 第三歩の右足はフォロースルーです。
右足が股間節を曲げて勝手に前に出て行かないように、
第二歩をステップする時よりも、もっと吊り下げておく感覚が必要です。
左サイドが前に出て少し右に傾いている体には、
スタートの時点で、LOD の方向へ動くように力をかけていますから、
振り子は振れ始めたらまっすぐに振れていくのと同じように、
LOD の方向へ動く惰力を持っています。
左足で床を後方へ掻き抜いたら体は惰力に乗って LOD に進み、
右足は左足の前を横切って (CBMPに) 女子の外側を (OP) 進み、
体の向きと一致して少し右向きで着床します。
すでに下降し始めている体をトーで受け取り、
足首を曲げてヒールを降ろし、膝をわずかに曲げてロァーを完了します。
* 第四歩の左足は、CBMを伴った前進のウォークです。
支え足の右足が少し右に向いていますから、左足はその方向へ前進することとなり、フェザー・ステップ 全体として緩やかに右にカーブを描きます。
後半につづく