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<註) フェザー・ステップは 壁斜め・ 又は 中央斜めにも 踊ることができる。>



英国のダンスの教科書”ボルテク”には、足型1番フェザーステップの記述の中ほど、男性の足型説明の終わりに上記のように書いてある。例として「LODに前進」とあるので3つの方向に可能ということ。

私は今までフェザーステップは「中央斜め」からのみ始めるステップと思っていました。サークルの先生も、個人レッスンの先生も、スタートの向きは「中央斜め」を指定するので当然だと思いました。

混んでいる会場でスローの音楽がかかると、皆さんどの組も一斉に中央寄りに集まるので面白いな、と思っていました。基本的にはナチュラル系のフィガーは会場の外に出る、壁に向かう。一方反対のリバース系は会場の中に、中央寄りに向かうフィガーだとは知っていました。

ワルツのように大きくはありませんが、スローはフェザーステップは右回りというより、右サイド側に動く。スリーステップは左サイドに、ナチュラルターンは右サイドに踊る。

スローの典型的な踊りは、ここでリバースターンを続けなければ、ほぼ真っすぐでコーナーに行けるので必ずしも「中央斜め」に開始する必要はない。
福頼氏のブログから見てみます。

ここから引用です。

”近頃の競技会では、早く中央に入って目立ちたいという思惑もあって、
多くの選手が中央斜めに面して踊り始め、
フェザー・ステップからリバース・ターンに続けることが多くなっています。

しかし、初級のうちからこのまねをするのは得策ではありません。

フェザー・ステップの第三歩では、
左サイド・リーディングで、右足を女子の外側にステップして、
右にスウェーして、アップの状態にあります。

カウントがQの短い時間の中でこれらの条件を解消して通常のスクエアに戻した上、
更にリバース系に続けるための
CBM まで準備するというのは、かなり難しい仕事です。

技術書で一番、二番、三番と示されたとおりに、
フェザー・ステップ、次にスリー・ステップ、続いてナチュラル・ターンを踊るのが
順当な練習方法です。

これを踊りながら、フォックストロットの根底にある自然な流れを体得します。

直線的な前進でなく、
フェザー・ステップの終わりで緩やかに右にカーブ、
スリー・ステップでは緩やかに左にカーブ、
そしてナチュラル・ターンでまた右にカーブするという、
微妙なカーブの変化を覚えます。


ライズ・アンド・フォールが単調な繰り返しにならないように、

たとえばフェザー・ステップで小高い丘を越えて下り、
スリー・ステップで谷を渡って、
ナチュラル・ターン では高い丘を越える と言うように

起伏に富んだ表現を目指して練習します。

リバース・ターン はそれからで決して遅くありません。技術書では3番です。”


社交ダンスは「競技ダンス」にハイジャック、乗っ取られてしまっているので、純粋な社交ダンスも競技ダンスの仕様で動いています。先生も、教科書もボルテク仕様です。そもそもこの「社交ダンス」という言葉が非常に曖昧で定義が確立されていない。

だから社交ダンスのパーティでも娯楽というよりダンスの美も一部求められる。基本が大事という言葉もある。バリエーションを多く知っている人が上手な人ではない、と言う表現もよく言われる。

いわゆる社交ダンスなら、踊り方を沢山知っている人が上手な人となるが、そこに競技ダンス的な要素が入ってくると基本が出来ていないのにバリエーションばかり習っているのは考え物、となってしまう。

それでは社交ダンスのパーティでは娯楽を、楽しさを追及が第一ではなくなってしまう。また、人間の欲というものもこれに加担して踊りに「美を求める、大きさ、スピード」なども一部の人が欲しているものだ。と言うともう娯楽でない。競技選手までとはいかないがやっぱし追及するのは他人の評価も含めるのが正しい。この中途半端な状態でずっとやってきたのだと思う。


本場のイギリスの一般人はいわゆる”ボールルーム”的に踊っているのだろうかと興味があります。競技選手と別れて姿勢のことなどあまり言わないのでしょうか。

”ソーシャル”という言葉があります。中南米のラテンアメリカンはルンバやチャチャでも一般に踊っているのは姿勢がどうのこうの言わないので日本と同じ?です。自然に肩も丸まって首も前かがみになり楽しく踊っています。ユーチューブの動画など見てわかりますね。社交・娯楽、社会の生活の一部でスポーツ的な要素は薄いんだと思う。


初めてスローを習った時の先生の説明は今でも覚えています。

”3歩目の右足をOPで降ろしながらサイドリードの形からスクエアポジションになり、ロアーをして次のステップに備える”。このような感じの説明だったと思いますが、私の質問:”これをクイックカウント”の時にやるんですか?”

これは無理だと思ってやらなかったんですが、その時には”出来ない”が正確な表現でしょうね。でもフェザーステップの後はリバースターンで出来ないなりに踊っています。時間が経てば出来る人もいれば時間が経っても出来ないまま、と言うよりそうしなきゃいけないの知識がないのかも知れません。


とにかく、福頼氏はボルテクの順番通りに、フェザーステップの後はスリーステップを初心者は踊り、ナチュラルターンにつなぐ方が自然だと説明しているのです。

ですから纏めると、スタート時は、フェザーステップの後は必ずしもリバースターンでなくても良い。「中央斜め」で開始するのは次にリバースターンを想定しているからで、初めからフェザーステップ⇒スリーステップ⇒ナチュラルターンでなら、
「LODに面して」「壁斜めに面して」も良いのだということ。

もちろん、空いている場所がなかったら中に入って、外に出てくるフィガーも選択肢のうちです。

以上です。



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