
社交ダンス;ジェットコースター理論⑥
「運動理論に基づくダンス上達法」下山 藤樹 著 から抜粋・引用
【 】は私のコメントです。ゴチックにしました。
【この項目は過去にジェットコースター理論として投稿済みですが、非常に大切な理論であるにも関わらず、そのような踊りをアマチュアの多くはしていません】。
【年を取ると長文を読むのは面倒くさいし、また集中力も小学生並みになりますが、頑張って読んでみてください。そういう方のために今回は結論を先に書いてしまいます】。
【ジェットコースター理論とは、スウィングダンスでの踊り方。ワルツの例で言えば、前の小節の3の終わりでロアーし、現フィガーの1では既にロアーは始まって「底」のレベルになっているので、1の右足はそっと「底」のレベルを維持して置く。1の終わりでライズするので膝を圧縮してバネに、2の左脚を横にスウィングして脚を(足)を閉じる。この時点でワルツは3、1,2で終わっているのです】。
【そして3の終わりでロアーして、、、は次のフィガーのためのロアーです】。
【殆どのアマチュアは、ワルツを1,2,3で踊っています。カウントはその通りですが、それではロアーはいつするのですか?1でしたら、直ぐに「1の終わり」でライズとなるので時間的には難しい。教本では「3の終わりでロアー」と記載があるのでその通りにする。そうすると、1では既にロアーの「底」のレベルに行っているはずです。ですから1の右足は「底」レベルを保ちながらそっと置く感覚で良いのです】。
【予備歩(或いは先行フィガーの3の終わり)でロアーして、重力の勢いでライズしなさい。ライズしたら今度は重力の勢いを使いロアーしなさい】。
【これの繰り返しで踊るとワルツなどのスウィングダンスは大きく優雅に滑らかに踊れます】、と。
ここから引用です。
スウィングダンスは、ライズとロアーを基本の動きとして踊ります。
私たちは地球上でダンスを踊っている以上、ジェットコースターと同じように、降下でボディスピードを加速し、慣性で上昇することが出来れば、理想的な動きのスウィングダンスを踊ることが出来るはずです。
何故ならば、
1)無駄な力を使わずに降下・上昇が出来ること
2)美しいムーブメント(動き)のダンスが出来ること
3)ムーブメントが自然で、リズム感が知覚されること等
注)人間の感覚は、速い動きは「強さ」と感じ、遅い動きは「弱さ」と感じます。ジェットコースターの動きは、降下が速く、上昇が遅くなるため、リズム感(強と弱との対比)が知覚されます。
ダンスでは、ジェットコースターと同じように、重力を活用して降下しながらボディスピードを加速するためには、「頂」から降下を開始しなければなりません。そして、「底」で上昇に転ずるためには、上昇するための力(推進力)が必要です。
前に説明したように、スウィングダンスの各フィガーは、「底」(ステップ①)からスタートしますが、フィガーの最終ステップは「頂」から「底」まで降下するようになっています。
従って、スウィングダンスを踊る場合は、フィガーの最終ステップを続行フィガーの補助ステップとして利用し、「頂」から「底」まで降下しながら、ボディスピードを加速することが重要なのです。
そして、ステップ①の前半で「底」のレベルを保ちながら、加速したボディスピードと自重(自分の上体の重さ)で、膝を圧縮し、膝をバネにします。膝を圧縮している過程で、加速したボディスピードの慣性によって、圧縮している膝の上をボディが自然に通過し、膝が伸張してボディが上昇へと転じます。
ロアーの仕方は
前進してロアーする場合は、軸足の足首を曲げ、下腿部を前傾します。そして、膝の力を抜く感覚で曲げ、股関節を前方へ大きく移動します。この結果、ボディはロアーしながら前方へ大きく移動し、動的バランスになり、同時に、ボディスピードが加速されます。
「底」までロアーし、下腿部と大腿部とが前傾した状態で、新軸脚の膝を曲げ、床へ置く感覚でステップし、ヒールから体重を載せます。
そして、膝の曲げを保ちながら、(「底」のレベルを保つ感覚)、ボディスピードに足首の曲げスピードを同調(合わせる)させ、下腿部を前傾させます。
この結果、ボディスピードは持続し、同時に、膝が圧縮されてバネになります。この結果、ひざのバネが伸張し、ライズ動作が開始されます。
まとめると、
スウィングダンスは、先行フィガーの最終ステップで、重力に自重を任せる感覚で「底」までロアーします。同時に、重心を大きく進行方向へ移動して、ボディスピードを加速します。
この加速したボディスピードを利用して、続行フィガーのステップ①を踏み、ステップ①の前半で膝をバネにし、そして、ステップ①の後半で、バネの伸張力を利用してライズを開始します。
ここで重要なことは、
膝の曲げ角度を一定に保ちながら、軸足上をボディ(重心)が通過することです。
膝の曲げ角度を一定に保ち、ボディを通過させる結果、ボディが軸足の中央を通過するとき、膝(実際は、ハムストリングス)に対して、荷重(膝を圧縮する重さ)が、最も重くなり、バネが強く圧縮されるのです。そして、ステップ①の後半で、バネの伸張力を利用して、ライズを開始することです。
この結果、ジェットコースターのように、美しい曲線を描きながら、スムーズなムーブメントのライズ&フォールが出来るのです。
そして、重力と自重だけでロアーし、ライズは体のバネを利用して行なうため、つよい脚力を使うこともなく、スピーディで、優雅なダンスを踊ることが出来るのです。
以上です。